ミャンマー事業

10年前に民主化されて以降、「アジア最後のフロンティア」として脚光を浴びてきたミャンマーですが、2021年2月1日に起きた政変と非常事態宣言発令の影響により、その後は、国全体が深刻な混乱状態に陥っています。農村部における公的医療サービスの質は低下し、アクセスも含めた利便性は失われつつあります。もともと同国の妊産婦死亡率は東南アジアの中で最も高い状況でしたが、社会経済状況の悪化により、母子保健分野への一層の対応が求められています。
 
面積:67.7万km2 (日本の約1.8倍)
人口:5,404万人 (2019年/世界銀行)
公用語:ミャンマー語
1人あたりのGNI:1,390ドル (2019年/世界銀行)
5歳未満児死亡率:44人 (1,000人あたり、2019年/UNIGME)
妊産婦死亡率:250人 (10万人あたり、2019年/WHO)

シャン州ラショー郡における母子健康改善プロジェクト(2019年2月-現在)
ラショー郡が位置するシャン州北部は少数民族が多く住み、ミャンマー国内で開発が最も遅れている地域の一つとして知られています。同郡の中でも、新生児や乳幼児の死亡率が高い23村において、母子保健状況の改善を目指す3年間の事業に取り組んでいます。
 
1年目(2019年度)は、事業対象地の住民が自らの村の状況と課題を分析し、その結果に基づいて研修計画を策定・実施した他、地域補助保健センターを建設しました。母子保健に携わる行政スタッフと住民とか協力しあう形で巡回診療が行われるようになるなど、成果が現れています。2年目(2020 年度)は、コロナ禍で実施できなかった活動も一部ありましたが、住民対象の母子保健研修を開催したり、安全な水へのアクセス支援(水供給施設の建設や、セラミックフィルターの提供など)を行いました。なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しています。
調理コンテストを通じて栄養を学ぶ

 
最新の活動レポートはこちらから
2020年1月:「女性の下半身ってどうなってるの?」ミャンマー少数民族の村での母子保健研修 
2019年5月:新プロジェクトが始動しました

行政とコミュニティとの連携を通じた保健サービス利用推進事業(2020年2月-現在)
マグウェ地域パウッ郡は、降水量の少ない中央乾燥地帯に位置し、貧困度が高いことで知られる同地域の中でも、特に衛生環境の劣悪な地区です。
 
本事業では、パウッ郡内全235村において、住民のニーズに沿った保健サービスの提供と、住民の利用促進を目的に、3年計画で取り組むものです。具体的には保健人材と住民の能力強化、保健行政と住民との連携強化、地域補助保健センターの建設と環境整備を支援しています。なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しています。
村人への保健教育

 
最新の活動レポートはこちらから
2020年12月:多忙な保健スタッフの業務改善を目指して~5Sによる整理術~
2020年9月:ミャンマー農村部でコロナ禍に苦しむ人々

生活習慣病対策プロジェクト(2018年11月-現在)
この事業では、中外製薬株式会社(本社:東京都中央区)との連携のもと、マンダレー地域メティラ郡において、モバイルクリニック(移動型診療)を通じて患者の診断や治療をサポートするもので、重篤な状態の患者には病院での入院治療を促しています。また、地域住民に対し、保健に関する教育研修やパンフレットの提供も行っています。地域の病院および行政の主体的参加を支援することによって、地域住民だけでなく行政側のNCDs対策に関する実施運営能力が強化されることも目的としているため、計画の詳細は、郡の保健局とメティラ総合病院のスタッフが進行役を務めるワークショップで決定しています。
 
詳細はこちら(中外製薬株式会社のサイトに移動します)からもご覧いただけます。
モバイルクリニックの様子

 

安全な施設分娩の促進プロジェクト(2018年11月-現在)
この事業では、中外製薬株式会社(本社:東京都中央区)との連携のもと、マグウェ地域パウッ郡の21村において、安全な施設分娩に向けた環境整備を支援しています。具体的には、妊産婦が緊急時に病院へアクセスできる体制を構築するため、住民と共同の搬送基金を各集落に設立した他、准助産師を対象とした再教育研修や、郡病院に初となる超音波診断装置の供与とそのトレーニング及びモニタリングを行っています。また、妊産婦以外にも緊急時の搬送を促進するため、住民への応急手当研修を行っています。
 
詳細はこちら(中外製薬株式会社のサイトに移動します)からもご覧いただけます。
凖助産師への研修
マグウェ地域メティラ郡における生計向上プロジェクト(1998年-現在)
この事業は主に貧困層の女性を対象に、小額の資金を無担保で融資するマイクロファイナンスを通じ、生計の向上を図るものです。現在、返済期間が異なる各種融資と貯蓄、金融教育などのサービスを、65村の約2,900人に対して継続的に提供しています。
 
このプロジェクトは、国際ロータリー第2780地区の多くのクラブをはじめ、皆様からのご寄付と外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」の資金を原資に実施しています。
融資返済日の様子

 
最新の活動レポートはこちら
2018年10月:経営情報システム(MIS)を導入
2018年1月:ロータリアンによるプロジェクト視察

メティラ総合病院小児病棟運営支援プロジェクト (1998年-現在)
メティラ郡の中核拠点病院であるメティラ総合病院に対し、これまで小児病棟と給食センターの建設、医療機材の供与、医療スタッフへの研修などを長年にわたって支援してきました。2002年からは小児病棟の入院患者に対し、栄養価の高い給食の提供も継続的に支援しています。なお、この活動は多くの皆さまからのご寄付を受けて実施しています。
栄養給食を食べる入院中の子どもとその母親
受益者の声(パウッ郡の研修参加者サン・サン・ウーさん)
2020年8月、AMDA-MINDS が村で健康に関する研修をしてくれ、私も参加しました。研修では、デング熱にかかった際の症状や、そうした症状が見られたら病院へ行く必要があることを学びました。
その翌月、6 歳の娘が突然高熱を出し、頭が痛いと言い出しました。研修でもらった教材を確認すると、娘の症状がデング熱の症状に一致し、翌日には発熱と頭痛に加えて嘔吐も始まったので、夫と相談して最寄りの病院へ娘を連れていきました。診察と検査の結果、デング熱と診断され、5日間入院。その後、無事回復して今は元気に過ごしています。もし AMDA-MINDS の研修を受けていなければ、娘のデング熱の症状に気づくことも、病院へ連れて行く判断もできていなかったのではないかと思います。次回の研修も参加することを決めています。
サン・サン・ウーさんと家族
ミャンマースタッフブログ

在宅勤務してたら、ブッシュドノエルをつくれるようになった話」 2021年1月 西尾浩美
「withコロナ」なんて無理!?徹底した対策と市民の反応」 2020年10月 西尾浩美
社会の変化を痛感」 2020年7月 江橋裕人
ミャンマーで考えた手洗いと歯にまつわる話」 2020年4月 渡辺陽子
駐在員は見た!ミャンマー伝統の『世界で最も過酷な格闘技』」 2020年1月 西尾浩美
ミャンマー事業地のとある寺院で過ごした一日」 2019年6月 渡辺陽子
ミャンマーの得度式」 2019年1月 江橋裕人
スタッフの心に寄り添う警備員~ミャンマーの現地スタッフのご紹介」 2018年9月 佐藤幸江
ミャンマーの水かけ祭り」 2018年5月 渡辺陽子
パウッで舌鼓~地元の食べ物あれこれ」 2018年2月 渡辺陽子

完了したプロジェクト

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