マイエー郡の山岳地帯における母子保健改善事業(2022年3月-現在)
シャン州北部のマイエー郡は標高800メートルほどの山間地に位置し、250あまりの村に約7万人が暮らしています。この中で最も発展から取り残されている30村を対象に、母子保健の改善を目指す3年間の事業を実施しています。
保健医療施設への移動手段が徒歩以外にない村が3割を超えるなど、アクセスが困難な上、多くの住民が十分な保健知識をもたず、母子の健康に負の影響を与える慣習や迷信なども存在しています。また、対象村の7割以上を占める22村は、山岳少数民族のパラウン族が居住する地域で、言語の壁も加わり、マイエー郡の他の村と比べて衛生状態や母子の健康状態は非常に劣悪です。また、耕作可能な土地を所有する住民も少なく、経済的な困窮が健康の悪化に拍車をかけています。
本事業は、日本国外務省からの資金協力(日本NGO連携無償資金協力)に加え、皆様からのご寄付により活動をすすめています。
山間地に点在する村の外観
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2022年6月:国際協力のすき間から見えてくるミャンマーの今
マグウェ地域メティラ郡における生計向上プロジェクト(1998年-現在)
この事業は主に貧困層の女性を対象に、小額の資金を無担保で融資するマイクロファイナンスを通じ、生計の向上を図るものです。現在、返済期間が異なる各種融資と貯蓄、金融教育などのサービスを、65村の約2,700人に対して継続的に提供しています。
このプロジェクトは、国際ロータリー第2780地区の多くのクラブをはじめ、皆様からのご寄付と外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」の資金を原資に実施しています。
融資返済日の様子
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2023年2月:いまできることを着実に
2018年10月:経営情報システム(MIS)を導入
2018年1月:ロータリアンによるプロジェクト視察
生活習慣病対策プロジェクト(2018年11月-現在、活動休止中)
この事業では、中外製薬株式会社(本社:東京都中央区)との連携のもと、マンダレー地域メティラ郡において、モバイルクリニック(移動型診療)を通じて患者の診断や治療をサポートするもので、重篤な状態の患者には病院での入院治療を促しています。また、地域住民に対し、保健に関する教育研修やパンフレットの提供も行っています。地域の病院および行政の主体的参加を支援することによって、地域住民だけでなく行政側のNCDs対策に関する実施運営能力が強化されることも目的としているため、計画の詳細は、郡の保健局とメティラ総合病院のスタッフが進行役を務めるワークショップで決定しています。
詳細は
こちら(中外製薬株式会社のサイトに移動します)からもご覧いただけます。
モバイルクリニックの様子
安全な施設分娩の促進プロジェクト(2018年11月-現在、活動休止中)
この事業では、中外製薬株式会社(本社:東京都中央区)との連携のもと、マグウェ地域パウッ郡の21村において、安全な施設分娩に向けた環境整備を支援しています。具体的には、妊産婦が緊急時に病院へアクセスできる体制を構築するため、住民と共同の搬送基金を各集落に設立した他、准助産師を対象とした再教育研修や、郡病院に初となる超音波診断装置の供与とそのトレーニング及びモニタリングを行っています。また、妊産婦以外にも緊急時の搬送を促進するため、住民への応急手当研修を行っています。
詳細は
こちら(中外製薬株式会社のサイトに移動します)からもご覧いただけます。
凖助産師への研修
行政とコミュニティとの連携を通じた保健サービス利用推進事業(2020年2月-2023年3月)
降水量の少ない中央乾燥地帯に位置し、貧困度の高い地域として知られるマグウェ地域の中でも、特に交通の便や衛生環境の劣悪なパウッ郡で、住民のニーズに沿った公共保健サービスの適切な提供と住民の利用を促進することを目的とした活動に取り組みました。コロナ禍による行動規制に加え、非常事態宣言発令による治安悪化の影響を受けて多くの活動の中止や延期、変更を強いられましたが、パウッ郡内全235村の内、特にニーズが高い約100 村において住民への研修などに取り組みました。
本事業は、日本国外務省からの資金協力(日本NGO連携無償資金協力)に加え、ウェスレー財団「開発・育成活動助成金(レガシー基金)」からの支援、ならびに皆様からのご寄付により実施しました。
村人への保健教育
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2021年12月:知識から実践へ~寄り添い続けるミャンマースタッフ
2020年12月:多忙な保健スタッフの業務改善を目指して~5Sによる整理術~
2020年9月:ミャンマー農村部でコロナ禍に苦しむ人々
受益者の声(ラショー郡の母子保健研修参加者ナン・ムーンさん)
私が住む村は、町から80キロも離れていて、近くに病院もありません。私は産婆として自宅で出産する村の女性たちの手助けをしていますが、実は妊婦のケアについてそれほど知っているわけではありませんでした。
ちょうどその頃、アムダマインズが母子保健研修を開催していると聞き、毎月参加して知識を深めました。研修で学んだことを村の妊婦やその家族に教えるだけでなく、実際に研修を受けるように勧めてきました。
その結果、男女を問わず大勢の村人が研修に参加するようになって、母子の健康には男性の協力も大切だということが広く理解されました。
アムダマインズの支援で地域補助保健センターも建ち、女性たちは安心して出産ができるようになりました。さまざまな支援をしてくれたアムダマインズと日本の皆様には、とても感謝しています。
ナン・ムーンさん
パートナーの声(一般社団法人blue earth green trees代表理事 東口千津子さん)
各国で母子保健の向上、教育の推進、環境保全等の事業に取り組まれているアムダマインズの皆様と共に歩めることを嬉しく思っております。
非常事態宣言が続くミャンマーの皆様への応援として、毎月の「子育てカフェ」からのドネーションがお役にたてばうれしく思います。1988年8月ビルマでの民主化運動時、私は高校教諭で夏休みを利用してインドのニューデリーからカシミール地方をひとり歩き、ミャンマーの皆様が自由を享受できるようにお祈りしました。今もミャンマーの皆様、世界の皆様の安全と心身の健康をお祈りしております。
共に、Love, Peace, Freedom & Diversityの種を蒔き続けます。
子育てカフェに参加した親子
ミャンマースタッフブログ

「ミャンマーの人々の力を信じて」 2023年4月 南條昌康
「非日常の中の日常~あの日から1年経ったヤンゴンの街」 2022年2月 五十嵐和代
「在宅勤務してたら、ブッシュドノエルをつくれるようになった話」 2021年1月 西尾浩美
「「withコロナ」なんて無理!?徹底した対策と市民の反応」 2020年10月 西尾浩美
「社会の変化を痛感」 2020年7月 江橋裕人
「ミャンマーで考えた手洗いと歯にまつわる話」 2020年4月 渡辺陽子
「駐在員は見た!ミャンマー伝統の『世界で最も過酷な格闘技』」 2020年1月 西尾浩美
「ミャンマー事業地のとある寺院で過ごした一日」 2019年6月 渡辺陽子
「ミャンマーの得度式」 2019年1月 江橋裕人
「スタッフの心に寄り添う警備員~ミャンマーの現地スタッフのご紹介」 2018年9月 佐藤幸江
「ミャンマーの水かけ祭り」 2018年5月 渡辺陽子
「パウッで舌鼓~地元の食べ物あれこれ」 2018年2月 渡辺陽子
完了したプロジェクト
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