現地調査でのデジタルツールの活用 ミャンマー事務所 ヘイン・トゥ

2023/06/05

ミンガラーバー。みなさん、こんにちは。私はアムダマインズのミャンマー事務所で、ヘルス・プログラム・オフィサーをしている、医師のヘイン・トゥです。いつも私たちの活動に対するご支援をいただき、ありがとうございます。
 
先日、昨年から活動しているシャン州北部のマイエー郡に行ってきました。今回の訪問の目的は、マイエー事務所のスタッフに、調査におけるデータ収集の指導をすることでした。新しくデジタルツールを導入し、試験的にデータを集めてみるのに加え、活動の進捗状況を確認するため、実際に事業対象村も訪ねました。
 

少数民族のパラウン族が住むHo Tone村の子どもたち

 
マイエー郡では、母子保健の改善を目指す事業を実施していますが、これまでの活動による成果を確認するため、家庭の食習慣の変化を確認する調査を実施する予定です。
 
データ収集の指導をする様子

 
そしてマイエー郡では、これを機にデータ収集と管理のデジタル化を進めるため、無料のオープンソース・ソフトウェアであるKoboToolboxを使い始めました。このアプリは、スマートフォンで使うことができ、オンラインだけでなく、オフラインにも対応しています。私たちが活動しているマイエー郡の村では、携帯電話がつながらず、インターネットのアクセスもありません。そんな状況でも、オフラインでアプリを使えるのは大きな利点となります。
 
調査をデジタル化すると、村人に話を聞いてデータを収集する際、紙を使うよりも便利で、かつ、データ入力を同時に済ませることができます。そのため、時間を大幅に短縮することができます。また、用紙代だけでなく、印刷の経費も節約できます。
 
Ho Lein村でのデータ収集

 
しかしながら、このような辺境の地でIT技術を活用するには、いくつかの課題があります。例えば、スマホのバッテリー容量はデバイスによって異なりますが、充電せずに何日も続けて使うことはできず、村には電気がきていません。そのため、スタッフは必要な分のモバイルバッテリーを持参して対応しました。
 
私は、村々を訪問している間、住民の健康状態や衛生環境、衛生に対する行動の様子にも注目しました。嬉しいことに、村人のほとんどが、自分たちで行動を改善し始めていることが分かった一方で、衛生環境と健康状態を改善するためには、まだまだ多くの変化が必要なことも実感しました。
 
マイエー事務所のスタッフと筆者(左から3人目)

 
これからも引き続き、本事業を通じて、マイエー郡の母親や子どもの健康改善に取り組んでいきます。
 
 

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この記事を書いたのは
ヘイン・トゥ
ミャンマー事務所 ヘルス・プログラム・オフィサー


医師。ヤンゴン第二医科大学卒業。栄養促進、母子保健などの公衆衛生の分野に関心がある。ミャンマーで活動する国際NGOで、マラリアの予防・管理プロジェクトに5年間従事。2021年5月アムダマインズに入職。趣味は読書、旅行、ガーデニング。

 

 

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