過去のミャンマープロジェクト

中央乾燥地におけるプロジェクト

行政とコミュニティとの連携を通じた保健サービス利用推進事業(2020年2月-2023年3月)
降水量の少ない中央乾燥地帯に位置し、貧困度の高い地域として知られるマグウェ地域の中でも、特に交通の便や衛生環境の劣悪なパウッ郡で、保健サービスの適切な提供と住民の利用を促進することを目的とする3年間の事業に取り組みました。コロナ禍による行動規制に加え、非常事態宣言発令による治安悪化の影響を受けて多くの活動の中止や延期、変更を強いられましたが、パウッ郡内全235村の内、特にニーズが高い約100 村において住民への研修などに取り組んだ他、保健教育用のビデオ教材を配布したりしました。
 
本事業は、日本国外務省からの資金協力(日本NGO連携無償資金協力)に加え、ウェスレー財団「開発・育成活動助成金(レガシー基金)」からの支援で建設した水供給施設の維持管理体制の構築と、ろ過機の配布を行いました。
村人への保健教育

 
活動レポートはこちらから
2021年12月:知識から実践へ~寄り添い続けるミャンマースタッフ
2020年12月:多忙な保健スタッフの業務改善を目指して~5Sによる整理術~
2020年9月:ミャンマー農村部でコロナ禍に苦しむ人々
 

生活習慣病対策プロジェクト(2018年11月-、休止中)
この事業は、中外製薬株式会社(本社:東京都中央区)との連携のもと、マンダレー地域メティラ郡において、モバイルクリニック(移動型診療)を通じて患者の診断や治療をサポートするもので、重篤な状態の患者には病院での入院治療を促していました。また、地域住民に対し、保健に関する教育研修やパンフレットの提供も行いました。地域の病院および行政の主体的参加を支援することによって、地域住民だけでなく行政側のNCDs対策に関する実施運営能力が強化されることも目的としているため、計画の詳細は、郡の保健局とメティラ総合病院のスタッフが進行役を務めるワークショップで決定していました。
 
詳細はこちら(中外製薬株式会社のサイトに移動します)からもご覧いただけます。
モバイルクリニックの様子

 

安全な施設分娩の促進プロジェクト(2018年11月-2023年3月)
この事業では、中外製薬株式会社(本社:東京都中央区)との連携のもと、マグウェ地域パウッ郡の21村において、安全な施設分娩に向けた環境整備を支援しました。具体的には、妊産婦が緊急時に病院へアクセスできる体制を構築するため、住民と共同の搬送基金を各集落に設立した他、准助産師を対象とした再教育研修や、郡病院に初となる超音波診断装置の供与とそのトレーニング及びモニタリングを行いました。また、妊産婦以外にも緊急時の搬送を促進するため、住民への応急手当研修を行いました。
 
詳細はこちら(中外製薬株式会社のサイトに移動します)からもご覧いただけます。
凖助産師への研修

 

マグウェ地域パウッ郡安全な出産と新生児ケア推進プロジェクト(2017年2月-2020年2月)
中央乾燥地に位置するパウッ郡の中でも、特に保健医療サービスが届きにくい37集落の住民を対象に、出産に関する対応能力の向上と保健行政との連携強化を図る事業に取り組みました。日本人専門家の協力によって策定した妊娠・出産にかかるさまざまな研修を実施した他、助産師・准助産師と住民の双方が感じている課題を共有し、その解決に向けた何をすべきかを整理するための会合の開催を支援しました。
 
なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。
健康教育の様子

活動レポートはこちらから
2019年9月:安全な出産を推進するのは村人たち
2018年11月:ハエ防止型トイレの設置を始めた村人の想い
2018年7月:環境保全啓発の取り組み
2017年11月:世界トイレデーに寄せて
 

マグウェ地域パウッ郡南部における地域保健プロジェクト(2015年2月-2017年2月)
委員による住民への保健教育
委員による住民への保健教育

このプロジェクトでは、村の保健衛生状況改善に取り組む地域保健委員会を結成し、委員会メンバーがそれぞれの村の課題を分析、改善のための具体的な実施計画(役割分担、時期、必要備品)を策定する過程を支援しました。また、委員会メンバーと地域の保健行政に携わるスタッフ間の交流を促進することにより、関係者が保健衛生改善に向けて協働ですることができるよう、助言やサポートを行いました。その結果、21の全活動対象村で委員会が結成され、プロジェクト終了後も行政と連携しつつ、各村の保健衛生環境の持続的な向上に向けて取り組みを続けていく体制をつくることができました。なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。

マグウェ地域パコク郡Healthy Village プロジェクト(2010年2月-2015年2月)
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パコク郡では、住民自身が村の保健に係る課題の解決に取り組むきっかけづくりとその過程を支援する「Healthy Village」プロジェクトを実施しました。このプロジェクトでは各村が保健開発委員会をつくり、委員会メンバーが中心になって自分たちにとっての「Healthy Village」を定義し、その具体化に取り組みました。5年間で71村が活動計画をつくり、それに沿って応急手当の知識・技術を身につける、トイレを作る、住民同士で保健教育をするなど活発に活動し、それぞれの目指す「Healthy Village」の実現に取り組みました。当団体は各村のニーズに沿った研修を提供し、継続的に村を訪ねて技術的な助言をするなど、住民が主体となって活動を進める後方支援を行いました。また、公的な保健センターが未整備だった3村では、地域補助保健センターを建設しました。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力」(フェーズ1/ フェーズ2/ フェーズ3 いずれも外務省サイトへ移動します)、フェリシモ地球村の基金によるご支援のほか、多くの皆様からのご寄付により実施されました。

プロジェクトのその後についてはこちら
2018年3月:夢を語る村人
 

メティラ総合病院小児病棟運営支援プロジェクト (1998年-2022年3月)
メティラ郡の中核拠点病院であるメティラ総合病院に対し、これまで小児病棟と給食センターの建設、医療機材の供与、医療スタッフへの研修などを長年にわたって支援しました。2002年からは小児病棟の入院患者に対し、栄養価の高い給食の提供もあわせて行いました。なお、この活動は多くの皆さまからのご寄付を受けて実施しました。
栄養給食を食べる入院中の子どもとその母親

 

シャン州におけるプロジェクト

シャン州ラショー郡における母子健康改善プロジェクト(2019年2月-2022年3月)
ラショー郡が位置するシャン州北部は少数民族が多く住み、ミャンマー国内で開発が最も遅れている地域の一つとして知られています。同郡の中でも、新生児や乳幼児の死亡率が高い23村において、母子保健状況の改善を目指す3年間の事業に取り組みました。
 
1年目(2019年度)は、事業対象地の住民が自らの村の状況と課題を分析し、その結果に基づいて研修計画を策定・実施した他、地域補助保健センターを建設しました。母子保健に携わる行政スタッフと住民とか協力しあう形で巡回診療が行われるようになるなど、成果が現れています。2年目(2020 年度)以降は、コロナ禍で実施できなかった活動も一部ありましたが、住民対象の母子保健研修を開催したり、安全な水へのアクセス支援(水供給施設の建設や、セラミックフィルターの提供)、地域補助保健センターの建設などを行いました。なお、本事業は、日本国外務省からの資金協力(日本NGO連携無償資金協力)に加え、皆様からのご寄付により実施しました。
調理コンテストを通じて栄養を学ぶ

 
最新の活動レポートはこちらから
2021年12月:知識から実践へ~寄り添い続けるミャンマースタッフ
2020年1月:「女性の下半身ってどうなってるの?」ミャンマー少数民族の村での母子保健研修 
2019年5月:新プロジェクトが始動しました

シャン州ラショー郡における水と衛生・保健改善プロジェクト(2016年2月-2019年2月)
子どもの体重の変化を確認する女性たち
子どもの体重の変化を確認する女性たち

少数民族が多く住み、開発が最も遅れている地域の一つとして知られるシャン州北部の21村において、3年間にわたり水と衛生・保健に関する問題の解決に取り組みました。住民による「水と衛生・保健委員会」を各村に結成することから始め、知識の向上、水衛生施設の修繕と建設、水をろ過するセラミックフィルターの設置、トイレの普及などを実施し、地域保健センターやコミュニティセンターの建設を行いました。その結果、住民の力で、今後も水と保健衛生に関わる活動を継続できるようになりました。

活動レポートはこちら
2018年5月:地域保健センターが完成
2018年3月:世界水の日に寄せて
2017年11月:世界トイレデーに寄せて

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。

シャン州ナムトゥ郡住民参加型水と衛生・保健改善プロジェクト(2015年2月-2016年1月)
学校に建設した共用トイレ
学校に建設した共用トイレ

ナムトゥ郡内の19村において、住民がこれまで十分に得られていなかった安全な水、よりよい衛生環境や保健医療サービスを享受し、自分で病気を予防していけるようになることを目的としたプロジェクトを実施しました。まず、水と衛生・保健改善活動を中心となって推進する村の委員会を組織し、自分たちで話し合って決めた活動の実施に必要な技術指導や資機材の供与を行ったほか、住民にとって最も身近な施設である公的保健医療施設(地域保健センターなど)に不足している医療器具を提供するなどの活動を行いました。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。

シャン州ナムトゥ郡健康希求行動改善プロジェクト(2013年2月~2015年2月)
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本事業ではナムトゥ郡内の34村を対象に、①基礎保健サービス改善、②地域住民の基礎保健知識の向上、③水と衛生状況の改善を通じて、地域住民が自らの健康を維持・増進していくようになることを目指し活動を展開しました。

具体的には、地域住民にとって最も身近な公的保健医療施設である地域補助保健センターの整備、同センターが提供する保健医療サービスの拡充と住民への周知、また各村に「健康促進委員会」および「水と衛生委員会」を設立し、委員会メンバーによるコミュニティ健康促進活動や衛生環境改善活動(安全な水の確保やトイレの普及)のアクションプラン作成・実施を支援するなど、住民が自分たちで病気を予防して健康を維持していくための基礎的な環境を、住民自らのイニシアチブを促進しながら整えていきました。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」(フェーズ1/ フェーズ2 いずれも外務省サイトへ移動します)として実施しました。

コーカン自治地域におけるプロジェクト

コーカン自治地域基礎母子保健システム構築支援プロジェクト(2013年7月~2015年4月)
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本事業は、2010年7月~2013年7月に実施した先行事業(母子保健改善事業の成果である個人レベルでの「点」の取り組みを、基礎母子保健システムの構築を支援することを通じて「線」で結び、住民とりわけ母子が安心して保健サービスを継続的に受けられるようになることを目的として、活動を展開しました。

先行事業を通じて母親ら個々人の保健知識や保健行動に向上が見られた一方、山岳地域であるが故の地理的な困難さや、サービス提供者と住民間の言語・文化の違いなどから、公的保健医療サービスは未だ十分に普及していません。例えば、コーカン自治地域には、住民に最も身近な存在であるべき保健センターは、国が目指す最低限の設置基準値(人口4千人に1ヶ所)を大きく下回る2万人に1ヶ所しか存在せず、82%の事業対象村では最も近い保健医療施設まで徒歩で1時間以上かかります。また、村には保健ボランティアは存在せず、住民にとっても、サービス提供者側にとっても、公的保健医療サービスの普及は大きな課題となっています。その為、例えば、資格を持った人材に出産介助をしてもらえない、経済的負担が大きく緊急時でも医療機関へ行けない、文化的習慣により産後健診を受けないなど、様々な改善すべき課題が未だ残されています。

そこで本事業では、以下の3つの活動を通じ、基礎母子保健システムの構築を支援しました。
活動1) 母子保健プロモーター育成を通じた、妊婦を含む急病人の救急搬送システムの構築支援
各村に5名前後からなるボランティア「母子保健プロモーター」を育成し、プロモーターによる妊婦や急病人の救急搬送システム構築を支援しました。また、救急搬送システムが持続的に運営されるよう、コミュニティ健康基金の運営にも取り組みました。
活動2) 妊産婦のケアや分娩介助を行う准助産師(公的保健ボランティア)の育成、ならびに公的保健医療スタッフの技術向上支援
各村1人の配置が推奨されているものの、コーカン自治地域には未だ存在しない准助産師を新たに育成する研修を、ラオカイ県保健局と協働で開催しました。6カ月間の研修(講義・実技)を受講した人は准助産師に認定され、コミュニティにおける妊産婦のケアや分娩介助に従事しています。また、保健センターなど公的保健施設に配属されている基礎保健医療スタッフ(助産師や看護師ら)に対しても、更なる技術向上を目的とした研修を実施しました。
活動3) 保健行政とコミュニティ双方の協力による母子保健サービスの提供促進
先行事業から実施しているコミュニティにおける母子保健サービス(子どもの成長記録、健康教育、栄養不良児への家庭訪問、妊産婦健診、予防接種実施支援など)が、地域の母子保健関係者(母子保健プロモーター、准助産師、基礎保健スタッフ)と地域住民の協働で実施・提供されるよう、助言・サポートしました。

なお、このプロジェクトは外務省「日本NGO連携無償資金協力事業(外務省サイトへ移動します)」として実施しました。

コーカン自治地域ソンカン地域保健センター整備事業(2014年3月~2015年3月)
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コーカン自治地域北部のソンカン村区およびシンタン村区は、最も近い医療施設まで25km以上離れた「医療の空白地帯」に位置しており、ミ国保健省は「基礎保健サービスの提供が極めて困難な地域」の1つに指定しています。本事業ではソンカン村区に診察室、陣痛室、分娩室、待合室などを備えた保健医療施設(ソンカン地域保健センター)を新設するとともに、必要備品と資機材の供与を行いました(保健医療スタッフはミ国保健省から配属)。
また、同センターで継続的にサービスが提供されるよう、地域住民の代表や同センターに勤務するスタッフから構成される管理委員会を設立しました。管理委員会を通じて、地域住民が「新設される保健センターは自分たちの財産であり、自分たちで運営・維持管理していく」というオーナーシップ意識を持ち、保健センター運営の自立発展性が高まるよう支援しました。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業(外務省サイトへ移動します)」として実施しました。

コーカン自治地域母子保健改善事業(2010年7月~2013年7月)
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コーカン自治地域114村において、乳幼児と(授乳期にある)母親、妊婦の健康改善を目的とした「母子保健改善事業」を3年間実施しました。この事業では、栄養補助食(世界食糧計画:WFPによる支援)および微量栄養補助剤の提供、子どもの成長記録、母親たちへの健康教育、栄養不良児に対する家庭訪問などの活動を行いました。また、公的保健医療サービスへのアクセス向上を目指し、それまで疎遠であった母親と公的保健医療スタッフとの関係構築を支援しました。

これらの活動を通じて、子どもの成長記録や栄養教育、栄養不良児に対する家庭訪問の重要性を地域の母親らが理解し、自ら実践できるようになりました。また、母親と公的保健医療スタッフの信頼関係も深まり、妊産婦健診、一般診察などのサービスの利用者が増加しました。なお、このプロジェクトは外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」フェーズ2フェーズ3(いずれも外務省サイトへ移動します)として実施されました。

コーカン自治地域小学校児童就学支援事業(2004年7月~2014年12月)
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コーカン自治地域の49校の小学校にて、児童の就学と健康維持を目的に、世界食糧計画(WFP)との連携による学校給食プログラム(登校した児童に対し、米や高カロリービスケットなどを配給)を実施しました。2013年度には延べ30,450人の児童へ米255トン、高カロリービスケット5トンを、最終年度となった2014年度には、述べ25,371人の児童へ米約110トン、高カロリービスケット26トン配給しました。

チン州におけるプロジェクト

チン州カンペレ郡元気な赤ちゃんを産もうプロジェクト(2013年7月~2014年4月)
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チン州南部のカンペレ郡は、州内でも特に交通の便が悪く、保健状況を改善する取り組みが遅れている地域です。本事業ではこのカンペレ郡で働く助産師約20名に、分娩の介助に必須の備品を集めた「お産キット」を提供しました。助産師は保健センターでの一般外来のほか、バイクや徒歩で担当の村々を巡って妊産婦健診や出産介助をしています。この「お産キット」の活用で、助産師は安全で衛生的な分娩介助ができ、妊婦とその赤ちゃんの命を守ることが出来るようになりました。

なおこのプロジェクトは、公益信託アドラ国際援助基金からの助成金により実施しました。