ネパール事業

2017 年以降、6%以上の経済成長率を示すなど好景気にあったネパールですが、海外出稼ぎ労働者からの送金や観光業などに大きく依存する社会経済は、コロナ禍でその脆弱性をあらわにしています。このような非常事態においては、特に貧困層、子どもや女性、少数民族や低カースト層など、社会的に弱い立場にある人たちが最も大きな負の影響を受けます。彼(女)らが今日を生き、明日への希望をつなげるために、質の高い基礎保健サービスを公正に受けられる環境や生活基盤を強化するための収入向上支援が必要とされています。
 
面積:14.7万㎢ (北海道の約1.8倍)
人口:2,860万人 (2019年/世界銀行)
公用語:ネパール語
1 人あたりのGNI:1,090米ドル (2019年/世界銀行)
5 歳未満児死亡率:30人 (1,000人あたり、2019年/UNIGME)
妊産婦死亡率:186人 (10万人あたり、2019年/WHO)

ダン郡ガダワ地区における母子の健康格差是正事業(2019年2月-現在)
ネパール政府が掲げる「サービスを取り残された人に」という保健政策のもと、ダン郡ガダワ地区における母子の健康是正に、3年間の計画で取り組んでいます。
1年目(2019年度)は、不足していた医療資機材が提供されたことで、地区内の全ヘルスポスト(診療所)が、ネパール政府保健・人口省の規定を満たすことができました。また、保健人材対象の能力強化研修を開催した他、地区内全85の母親グループに対して健康教育を実施し、その母親らと一緒に「家族計画の日」に女性の権利を訴える行進を企画するなど、様々な啓発活動も実施しました。
2年目(2020年度)は、遠隔集落に簡易診療所を新設したことで、保健施設に行くのにかかる時間が1時間以上短縮されました。また、1年目に引き続き保健人材対象の研修開催や、地域住民に対する啓発活動を実施しました。
なお、本事業は外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施されています。
カードゲームで健康について学ぶ母親グループ

 
最新の活動レポートはこちら
2021年2月:ダン郡ガダワ地区で4つの簡易診療所がオープン!
2020年12月:ヘルスポスト(診療所)のビフォーアフター
2020年7月:ダン郡で保健医療施設の建設開始
2020年2月:追い風を味方に~2年目を迎えた母子健康格差是正に向けた取り組み
2019年10月:ダン郡の母子保健事業が本格化!
2019年2月:母子の健康格差是正に向けた新プロジェクト開始!

乳がん・子宮頸がんスクリーニングキャンププロジェクト(2021年1月-現在)
ネパール人女性で最も罹患数が多いがんは乳がんと子宮頸がんで、その数も年々増加傾向にあります。カトマンズ郡ゴカルネシュワル地区でもこれらのがん患者が確認されていますが、地区内にある7つの公的保健医療施設では、治療はおろか、乳がん・子宮頸がんのスクリーニングサービスを提供する設備も人員も整っていませんでした。また、一般の女性が、がんに関する正しい情報を得る機会はほとんどなく、羞恥心や経済状況も相まって、同地区では7割近くの女性が一度もがん検診を受けたことがない状況です。
そこで、第一三共株式会社(本社:東京都中央区)、AMDAネパール支部ならびに現地行政機関との連携のもと、同地区における乳がん・子宮頸がん検診受診者数の増加とがんの早期発見を目指し、スクリーニングキャンプの実施、検診サービスの拡充、ならびに啓発活動に取り組んでいます。
スクリーニングキャンプ会場の様子

 
最新の活動レポートはこちら
2021年12月:協働パートナーである第一三共株式会社「Our Stories」にインタビュー掲載(同社公式サイトに移動します)
2021年10月:「自分のからだ、大事にするわ」女性たちの大きな決意
2021年1月:SDGs達成に向けた新たな取り組みを開始

ゴルカ郡におけるコーヒー栽培を通じた収入向上支援事業(2021年8月-現在)
ネパール中部にあり、2015年の大地震の震央だったことから特に甚大な被害を受けたゴルカ郡の2つの地区において、零細農家約600世帯に対する収入向上の支援を開始しました。コーヒーの栽培、コーヒーチェリー(実)の精製に関する技術指導と、コーヒー組合の経営安定化支援を通じ、3年間でコーヒーの総売上高を約10倍に拡大することを目指しています。
丘陵地域に位置する同地区は、その地形と気候条件からコーヒー豆の栽培に適しており、既に120世帯ほどが栽培に取り組んでいます。しかし、正しい栽培技術を学ぶ機会が限られている上、収穫したコーヒーチェリーの大半は適切に精製されておらず、最も低い販売価格での取引に甘んじていることから、年間の売上高は1世帯あたり2,000円にも満たない状況にあります。
これまでの農業だけでは生活が成り立たず、家族の誰かが労働者として海外に行く以外、収入を得る手段がなかった零細農家にとって、コーヒー栽培が、家族みんなで生活するための一助となることを願い、活動に取り組んでいます。
コーヒー栽培農家の様子
受益者の声(ダン郡地域保健ボランティア シュリー・チョウドリさん)
地域保健ボランティアになって18 年になります。私たちボランティアは、戸別訪問で母子の健康状態を確認し、必要に応じて診療所へ行くお手伝いをしています。毎月の母親グループの集まりでは母子保健についてのワークショップを行って、村のお母さんたちに健康知識を普及します。でも、自分が正しい情報を伝えているのか、お母さんたちがちゃんと理解してくれているのか、時々不安になります。
受講したAMDA-MINDSの研修では、新しい知識を習得したり、伝え方についてロールプレイで練習したりすることができ、少し自信がつきました。今はまだスタッフに付き添ってもらいながらワークショップを実施していますが、事業が終わっても自分で継続できるよう、これからも日々勉強を続けます。
シュリー・チョウドリさん
ネパールスタッフブログ

ネパール駐在を終え、明日香村で思いを巡らす」 2021年12月 奥田鹿恵子
ネパールの「お茶の時間」のいま、そしてこれから」 2021年8月 小林麻衣子
コロナ禍での経済成長の明暗はいかに…」 2020年12月 奥田鹿恵子
ロックダウンから2ヶ月」 2020年5月 奥田鹿恵子
インターン通信①」「インターン通信②」「インターン通信③」 2020年1~2月 川口美子
ヒマラヤへの想い」 2019年12月 田中一弘
ウンのつく暮らし~犬と牛と時々猫」 2019年11月 奥田鹿恵子
変わるネパール、変わらないネパール」 2019年9月 松本千穂
ばぁばとじぃじと、時々、オトン」 2019年6月 竹久佳恵
私がネパールで仕事を続けているわけ~4回目の4月25日によせて~」 2019年5月 小林麻衣子
子どもの頃の遊びに思いを馳せて」 2018年12月 奥田鹿恵子
サウン月とメヘンディ」 2018年8月 小林麻衣子
インターン通信①」「インターン通信②」「インターン通信③」 2018年5~7月 大津璃紗
民族衣装デビューしました!」 2018年4月 奥田鹿恵子

完了したプロジェクト

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