変わるネパール、変わらないネパール ネパール事務所 松本千穂

2019/09/13

2019年8月、久しぶりにカトマンズへやってきました。かつて拡張・改装工事中だった空港ターミナルビルがきれいになり、すぐ外には駐車場も増設。2015年にネパール中部地震を経験し、緊急救援・復興支援にも携わった私としては、力強い復興状況の一端が見られ、まずは一安心。統計上も、震災後に一時落ち込んだ外国人入国者数は順調に回復し、2018年には史上初めて100万人を突破したそうです。皆さんも次の旅行先にネパールは如何ですか?
 

じわりコーヒー・ブーム来たる?

さて、私にとってカトマンズは2016年の2月まで約3年半住んだ街。今回滞在している宿は以前住んでいたアパートと同じ地区にあるのですが、お店がかなり入れ替わっていて、全く知らない場所に来たような錯覚さえ覚えます。よくよく見ると、この地区に限らず、コーヒーを出すカフェがずいぶん増えたことに気づきました。老舗カフェが支店を増やしただけではなく、新規参入のお店もたくさん見かけます。
 

カトマンズ市内某所に3軒(CAFÉ LAVA, OSCAR, HIMALAYAN JAVA)並んだカフェ。3年半前は左端の1軒(CAFÉ LAVA)だけ、しかも開店してまだ数カ月でした。

 
これまでネパールやインドで日常的に飲まれる物と言えばお茶でした。砂糖と牛乳をたっぷり入れたチヤ(お茶)を出す屋台やお店は、昔からあちこちにありましたが、最近は特にカトマンズのような大都市の若者を中心に、カフェでコーヒーを楽しむ文化が広まりつつあるようです。
 
まだまだ知られていませんが、ネパールではコーヒー豆が生産されています。私もカトマンズで飲むなら、ネパール産のコーヒー。私たちAMDA-MINDS(アムダマインズ)の事業地の一つであるカブレパランチョウク郡もコーヒー栽培が可能な丘陵地域で、環境保全と農業所得の向上・多様化を目指すアグロフォレストリー事業の一環として、コーヒーの苗木の植栽にも取り組みました。
 
事業地で村人が独自に植えたコーヒーの木と筆者。プロジェクトで植えた苗木がこのぐらい大きくなるにはまだ数年かかります。

 
ですから、ネパール国内でコーヒーの消費が伸びるのは願ってもないことなのです。村人が大切に世話したコーヒーが収入につながり、あちこちのカフェで飲めるようになる日も遠くないのかもと、夢を膨らませています。(ネパール産コーヒーを飲んでみたいという方は、AMDA-MINDSの本部事務所までご連絡ください!)
 

ネパール朝活事情

一方で、以前と変わらない人々の生活を見て、なんだかほっとしたり、クスっと笑ったりすることもあります。朝6時前後にはチリリンリンという澄んだベルの音が聞こえ、お香の香りが漂ってきます。ご近所さんがヒンドゥー教の朝のお祈りを始めたようです。そのうち裏通りにはだんだん人影が増えてきます。通勤・通学の人ももちろんいるのですが、「朝活」をしたり、買い物に行く人がかなりいるんです。とにかくネパール人は早起き!
 
先日、宿の近くにある共有林まで散歩に出かけたのですが、朝の6時だというのに次から次へと地元の人たちがやってきて、林の中の遊歩道を散歩したりジョギングしたり。素朴な鉄棒やベンチの周りは懸垂、腕立て伏せ、腹筋に励む男性陣で満員。ついには茂みの向こうから、「わーっ、はっ、はっ、はっは!わーっ、はっはっは!」という不自然な(失礼!)大きな笑い声も聞こえてきました。どうやら笑いヨガのようです。その日は二人目撃。前に住んでいたアパートの近所にも愛好家がいて、早朝から笑い声が轟いていたので、もしや同じおじさんか?!と思わず振り返りましたが、さすがに別人のようでした。
 

早朝の遊歩道に人影が途絶えることはありません。

 
共有林の前には、野菜を売るリヤカーやパンの移動販売車がいるほか、脈を測ったり心音を聞いたりして健康相談に応じてくれる伝統医療の出張カウンセラーまでいます。もちろん、住宅街のあちこちに点在する1~2畳程度の小さな商店も既に開店していて、野菜やチヤ(お茶)を淹れるための牛乳を買いに来るお客さんが次々にやってきます。散歩帰りに買い物(買い物のついでに散歩?)という人も。こうして、狭くて入り組んだカトマンズの道路が渋滞する前、比較的空気もきれいな時間を有効活用して、ネパールの人々は今日も変わらない爽やかな朝の時間を過ごしています。
 
早朝から共有林を訪れるたくさんの「朝活」ネパール人と、入り口前での健康カウンセリングの様子を激写。