インターン通信③ ネパール事務所インターン 川口美子

2020/02/21

ナマステ~(こんにちは)ネパールのダン郡ガダワ地区でインターンをしている川口美子です。早いもので今回が最後のインターン通信となりました。(第1回第2回はこちらから)
 
前回は、ヘルスポスト(診療所)での薬剤管理についてお伝えしました。さて、その後の訪問でどうなっていたかと言えば…また種類の違う薬が混ざった新しい薬の山ができていました(苦笑)。一方、巡回診療では1か月前の私の助言が効いたのか、スタッフが薬剤の有効期限を確認する姿もありました。継続した指導の大切さを改めて痛感します。事業スタッフとも、他国(青年海外協力隊時代の活動地であるラオス)との比較や健康教育、私が感じた様々な問題点について話し合いました。これから彼らがどう変わっていくのか、楽しみです。
 

巡回診療で自主的に薬剤の確認をするヘルスポストのスタッフ

 
滞在中は人々の生活を間近で感じ、毎日同じものを食べ、現地の暮らしを体験することができました。国民食であるダルバートやカジャ(ネパールの間食)、チャイ、オートリクシャ(三輪タクシー)、バス、雨の中の移動、レストラン、市場での買い物、民族衣装、学校…。自宅に招いてもらい、内側から生活を知る機会もありました。活動の面では、住民やヘルスポストのスタッフと同じように片道1~2時間かけて森や山道を歩き、いくつかの集落を訪問しました。バスがなかったり、1日1往復しかなかったり…。バイクや自転車を持っていないため、1時間以上の距離を徒歩で移動する住民はまだ多くいます。時には病人や産気づいた妊婦、子どもを抱えて行かなくてはなりません。今は乾季で川の水がなく近道ができますが、雨季には遠回りをして、ぬかるんだ道を進まなければいけません。
 
山間部の集落にて事業スタッフ(中央)と藁を運ぶ母親グループのメンバー(右奥)

 
ガダワ地区は毎朝濃い霧に覆われていたので、日本人の私にとっては、まるでどこかに迷い込んだかのような2か月でした。異質な存在だからこそ、問題点に気づき、改善案を提案することができる面がある一方で、そこには家族や友人、大切な人と一緒に生きる人々がいて、彼らの日常があります。地図やデータだけでは見えない現実があります。今回のインターンシップを通して、実際に支援やサービスを受ける立場である彼らの生活を、より具体的に想像できるようになりました。公衆衛生や国際開発の世界では、現場に近い活動もあれば、国の中央で政策を決めるような活動もあります。どんな立場で活動するにしても、異質な存在としての客観的な視点と、実際に生きている人々の生活を意識した主観的な視点、どちらもがとても大切だと感じます。今後はラオスで修士論文の調査を行います。今回得た両方の視点を生かして、より深い学びに繋げていきたいと思います。
 
公私にわたりサポートしてくれたAMDA-MINDSとAMDA-Nepalの皆さん、たくさんのことを教えてくれたネパールの人々、そして最後までインターン通信にお付き合い頂いた皆様に感謝を申し上げます。ありがとうございました。では、またどこかでお会いできる日まで。
 
2か月間を一緒に過ごした事業スタッフと筆者(右から2番目)

 
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