ロックダウンから2ヶ月 ネパール事務所 奥田鹿恵子

2020/05/22

新型コロナウイルス感染拡大予防措置の一環として、ネパールで全土ロックダウン(都市封鎖)が発令されてから、2ヶ月が経とうとしています。3月下旬に数名だった感染者数は、隣国の中国やインド等からPCR検査キットが届き、検査体制が拡充されたこともあり、5月中旬には400名を超えました。一旦は緩和されるかと思われた様々な規制も、感染者数の増加に伴い、再び強化されてしまいました。
 
首都カトマンズでは、通院や食料調達などを除く不要不急の外出は禁止されており、道行く車は、政府から許可証を得た車両(病院、銀行、食料品等の運搬、メディア等)のみ。交通渋滞とクラクションの音で騒然としていた街はいま、ひっそりと静まり返っています。せっかく見ごろを迎えたジャカランダ(和名:紫雲木)の花も、今年は少し寂し気です。
 

誰もいない道路脇に咲き誇るジャカランダの花(カトマンズにて)

 
私も在宅勤務を続けていて、外出は週に数回、朝か夕方、近所の商店に食料品を買いに行くのみ。現地スタッフはヨガや瞑想で運動不足やストレスを解消しているようです。「ステイホームで家庭菜園が人気」という日本のニュースを見かけましたが、ここネパールでもステイホームの間、菜園・園芸や手芸などを楽しむ人が少なくありません。
 
ベランダで園芸や菜園にいそしむスタッフのお義母さん(カトマンズにて)

 
事業地のダン郡ガダワ地区でも、集落間の移動禁止や隔離施設の拡充など、地方自治体による様々な感染拡大予防策が進められています。とはいえ、大半の住民が農業を営んでいるので、日々成長する農作物を前に完全なロックダウンという訳にはいかず、農作業は続けられています。
 
農作業をする人々(ダン郡ガダワ地区にて)

 
カトマンズと同様に、食料品などの生活必需品を売る商店や市場は開いていますが、売る側も買う側もマスクを着用したり、客同士が密接にならないための工夫を凝らしたり、様々な感染予防の対策がされています。
 
入店者数を制限するため、商店の前に書かれた〇印の中で離れて順番を待つ客(ダン郡ガダワ地区にて)

 
心配なのは、治療や診察、特別なケアを必要とする人々のことです。ロックダウンの状況下では、保健医療サービスを受けることが、より困難になっているからです。住民にとって最も身近な公的保健医療機関であるヘルスポストは今、分娩介助を担当するスタッフは常駐しているものの、他の業務は縮小され、緊急時のみの対応となっています。
 
また、今回の新型コロナウイルス感染拡大ならびにその予防措置で「最も影響を被った世帯」とされる人々(例えば、建設業などに従事する日雇い労働者、障がい者、妊婦、孤児、独居老人など)の生活は困難を極めています。そこでガダワ地区行政は4月上旬、約3,000の生活困窮世帯への緊急食糧配付(米、豆、塩、食用油)を決定し、AMDA-MINDSも資金提供の形で支援しました。また5月中旬には、米が追加で配給されています。しかし、先行きの見えない不安感がつのる中、人々は依然として厳しい生活を送っており、国内外からのさらなる支援が必要な状態です。
 
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