震災復興支援活動

【2017年03月07日】
カブレ郡における農業振興を通じた被災地復興支援事業
(2017年3月-現在)
2015年の地震では73%の家屋が全半壊した

2015年の地震では73%の家屋が全半壊した

2015年4月25日に発生した地震で甚大な被害が発生したカブレパランチョウク郡の2行政村(シパリ・チラウネ行政村、ワルティン行政村)において、換金作物の生産・販売支援を通じ、被災者約7千人の生活再建を支援しています。

98%の世帯が農業を主たる生計手段としている

98%の世帯が農業を主たる生計手段としている

対象の2村では、98%の世帯が農業を主たる生計手段とし、トウモロコシ、豆などの自家消費作物を栽培していますが、現在でも天水頼みの伝統農業を続けている世帯がほとんどで、換金作物を栽培・販売している世帯は10%にすぎません。

そこで、市場ニーズに基づいた換金作物、対象地域の水不足を踏まえた節水農法、付加価値を高める減農薬・減化学肥料農法などを取り入れた栽培技術指導を行うとともに、限られた水を効率的に活用できるよう灌漑設備の整備に取り組みます。また、収穫物を共同出荷する住民組織の形成や能力強化を図り、継続かつ安定した生産・出荷体制の構築を目指します。主たる生計手段である農業収入が増えれば、その分、地震からの復興が促進し、日々の生活の安定につながります。事業終了までに、商業的農業に従事している農家が約3倍に増え、住民の農業収入が増えることを目標としています。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しています。

カブレ郡3行政村における震災後住居再建支援事業
(2016年12月-現在)
家屋解体研修前のオリエンテーション

家屋解体研修前のオリエンテーション

2015年4月25日に発生した地震で甚大な被害が発生したカブレパランチョウク郡の3行政村(カルパチョウク行政村、シパリ・チラウネ行政村、ワルティン行政村)において、住居再建に向けた活動を行っています。

家屋解体研修の様子

家屋解体研修の様子

対象3行政村の約1,400世帯のうち、7割以上の世帯が生活の基盤となる家を失いました。震災後1年近くたっても、倒壊した家屋の瓦礫は手つかずのまま、人々はトタン板で作った簡素な仮設住居で生活していました。

その理由として、経済的なものの他に、中途半端に崩れた家屋の解体方法の知識・技術が不足しているという課題がありました。

そこで、対象地域住民に対して、安全面に配慮した家屋解体研修や、石材・木材の加工技術と耐震構造を踏まえた建設技術研修を実施する他、最貧困世帯に対して建設資材や道具を供与するなどし、住民自らが住居や住環境を再建できるよう支援しています。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しています。

ダディン郡におけるコミュニティ建設技師養成事業
(2015年7月-現在)
大工育成研修の様子

大工育成研修の様子

2015年4月25日に発生した地震の震源地(ゴルカ郡)の東隣に位置するダディン郡において、住居再建を担う地域技師(石材や木材の加工を行う大工職人)と地域建設作業員を育成しています。

大工育成研修の様子

大工育成研修の様子

ダディン郡は、同地震で最も甚大な被害を受けた6郡の1つとされています。733人が死亡、952人が負傷した他、家屋の9割以上が倒壊し、被災者一人当たり約15万円(平均的なネパールの農家世帯年収の約5倍)もの被害が出ました。生活の基盤である住居を失った人々の6割はビニールシートやトタン板などを利用した簡易住居で生活し、2割の人々は仕方なくひび割れた元の家に戻って暮らし続けていました。皆、1日も早く安全な家で暮らしたいと願っていますが、資金不足はもとより、耐震構造に精通した地元の建設技術者・作業員が不足していることもあり、住居の再建は思うように進んでいませんでした。

本事業では、地理的に特に支援が行き届きにくい北部20行政村における住居再建を加速させるため、地域技師と地域建設作業員の育成研修を実施しています。事業終了までに、地域技師30名と地域建設作業員900名が、各自の集落で実際の建設作業に従事できるよう、技術指導と地域レベルでの家屋再建促進に取り組んでいます。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しています。

カルパチョウク行政村における生活改善事業
(2014年3月-現在)
ビニールハウス栽培研修の様子

ビニールハウス栽培研修の様子

2014年より、カブレパランチョウク郡カルパチョウク行政村で、生活改善、水へのアクセス向上、保健衛生改善に向けた活動を実施しています。カルパチョウク行政村には、少数民族であるタマン族や社会階層の最下層に位置づけられるダリットなどが多く住み、ネパール国内でも「特に貧困世帯が多い地域」に指定されています。

水供給設備建設の様子

水供給設備建設の様子

2015年4月の地震発生後も、不安定かつ流動的な社会状況に対応しつつ活動を継続しています。生活改善分野では農業に焦点を当て、ぼかし肥料(堆肥や草を土と混ぜ、発酵させて作る)を導入した土壌改善や、換金作物となるカリフラワーやビニールハウスを使ったトマトの栽培技術指導を行いました。また、農業・生活用水確保を目的とした水供給設備の整備(自然流下式水供給システムや雨水貯水タンクなど)を通じて、水不足が深刻な集落にも水が来るようになりました。この他、ヘルスキャンプ(無料の診療サービス)や水と衛生、病気予防などの啓発活動を行い、被災地住民の健康維持、病気の早期発見にも努めています。
これまでの取組みを通じ、カリフラワーやハウストマト栽培に成功し、農業収入が年3~4万円増えた農家があらわれるなど、少しずつ成果が見えはじめています。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しています。