水供給施設が完成しました!~カルパチョウク村より~

【2017年07月04日】
完成式典で蛇口を開栓する國貞書記官(左)とコマル・ダマル郡開発局長

完成式典で蛇口を開栓する國貞書記官(左)とコマル・ダマル郡開発局長

「もう毎日何時間も歩いて水を汲みに行かなくていいのね!」

6月23日、水供給施設の完成式典が開催された村は、建設の苦労をねぎらい、完成の喜びを分かち合う人々で賑わいました。この施設の建設は、「カルパチョウク行政村における生活改善事業」の活動として、2015年11月に着工したもので、ふたつの水源から11つの集落(計68世帯)に、総距離約14Kmのパイプを通じて水を供給するものです。

式典では、村の伝統祈祷師(中央2名)が水の安定供給を願って悪霊を追い払ってくれました

式典では、村の伝統祈祷師(中央2名)が水の安定供給を願って悪霊を追い払ってくれました

標高800~1,600メートルの丘陵地に集落が点在するカルパチョウク村には、上下水道はもちろん整備されておらず、約4割の世帯が農業・生活用水を十分確保できない厳しい環境下で暮らしていました。水汲みの役割を担う女性と子どもは徒歩で1時間、水が不足する乾期には4時間半かけて、遠方の水源地まで水を汲みに行っていましたが、水供給施設が完成したことで今後、水汲みの負担は大きく軽減されます。

建設技術も学べたと喜ぶラトナ・ラマさん

建設技術も学べたと喜ぶラトナ・ラマさん

完成した水供給施設の水源は山の湧水で、重力と水圧による自然流下方式(電力などを使用しない)で、各集落まで届きます。水源から水を引き込む取水装置(3つ)、貯水タンク(17基)、そして各集落に設置した水栓(42ヶ所)の建設は、事業スタッフのエンジニアによる技術指導のもと、全て村の人々自身が行いました。しかも、建設現場は車も通ることができない急峻な山の中です。建設現場に資材を運びあげる作業、パイプを地中に埋めるために土を掘る作業などは、村人総出のボランティア作業となりました。

水場に集まる子どもたち

水場に集まる子どもたち

また、この建設を通じて、カルパチョウク村から何人もの建設技術者が誕生しました。最初から建設に従事しているラトナ・ラマさんは言います。「自分の集落に水がくるのだから、率先して働かなくては、と思いました。建設の初期は、技術的なことを何も知らずに、ただ言われたとおりに作業をしていましたが、今では、建設の図面も読めるようになりました。技術を得たことで、これから建設技術者として働いていくことができます。今回の建設は、『水』と『職業』という、生きていく上で欠かすことができない大きなものを与えてくれました。」

たくさんの苦労を重ねた末、とうとう集落の水栓から水が出た時は、村の子どもたちも、大人たちも、みな大喜びでした。

完成式典には、カブレ郡開発局長コマル・ダマラ氏を始めとする地方行政関係者のほか、在ネパール日本国大使館より、國貞書記官に参列いただきました。書記官からは、建設された設備が長く活用され、また村の人々自身で維持管理されていくことの重要性と共に、「水を活用して、地域の農業がますます発展していくことを期待しています」と激励のお言葉をいただきました。