ホンジュラス事業

  ホンジュラス事業
map_honduras中米に位置するホンジュラス共和国は、コーヒーやバナナを産する自然豊かな国ですが、人口の6割が貧困層と、中南米でも最貧国の1つです。国土の8割を占める山間部の村々には保健サービスが行き届かず、高い妊産婦・乳幼児死亡率への対応が課題になっています。また都市部においては、若年層犯罪組織の活動により、治安状況が悪化しています。

現在、農山村地域2箇所(エルパライソ県、レンピーラ県)において母子保健、思春期リプロダクティブヘルス、水と衛生分野を、首都テグシガルパ市において青少年育成分野の支援活動を展開しています。 

面積:11.2 万㎢ ( 日本の約3 分の1)
人口:810 万人
言語:スペイン語( 公用語)
1 人あたりのGNI:2,270US ドル(2014 年/世界銀行調べ)
5 歳未満児死亡率:20 人(1,000 人あたり、2015 年/ IGME 調べ)
妊産婦死亡率:129 人(10 万人あたり、2015 年/ WHO 等調べ)

青少年育成を通じた住みやすいコミュニティづくり支援事業
(2013年3月-現在)

夜遅くまで準備に取り組むコミュニティ・グループメンバー

夜遅くまで準備に取り組むコミュニティ・グループメンバー


首都テグシガルパ市は犯罪発生率が高く、犯罪の若年化も顕著であり、安心して生活できない状況は住民同士のつながりを薄くしています。このような状況の中2013年3月から、「住みやすいコミュニティ」の実現を目指し、青少年を含む地域コミュニティが、自分たちで「住みやすいコミュニティづくり」を進めていく力をつけることを目的とした事業を行っています。事業では、1)中高生を対象とした非行・犯罪の悪影響、自尊心などに関する研修、2)地域の大人たちに青少年を交え、彼ら自身が行うコミュニティのためのコミュニティ活動、3)コミュニティ活動の実施に関わる各アクターとの関係構築・強化などに取り組んでいます。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業(1期(外務省サイトへ移動します) / 2期)」として、またまちづくり地球市民財団のご支援により実施しています。

思春期リプロダクティブヘルスプロジェクト
(2015年3月-現在)

HIV/AIDS予防啓発掲示板を作成した保健所長(右から2番目)とピアリーダーたち

HIV/AIDS予防啓発掲示板を作成した保健所長(右から2番目)とピアリーダーたち


エル・パライソ県では若年層の妊娠が多く、特に山間部では19歳以下の妊婦が半数近くを占めています。若年妊娠は死亡リスクが高いだけでなく、性感染症や就学への影響など深刻な問題となっており、国の最重要課題の一つとなっています。しかし、若年層がリプロダクティブヘルス(性と生殖に関する健康)に関する情報を得られる機会は少なく、対策につながりにくいのが現状です。そこで2015年3月から、思春期(10歳~19歳)の少年少女が適切なリプロダクティブヘルスケアを受けられるようになることを目的として、思春期層・保護者・学校教師・保健所スタッフへの研修、専用カウンセリングルームの設置とカウンセリングなどを行い、若年妊娠の減少に取り組んでいます。

なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しています。

山村の「妊婦クラブ」支援事業
(2014年3月-現在)
おかやまコープ組合員さんからのメッセージを手にする妊婦

おかやまコープ組合員さんからのメッセージを手にする妊婦

エル・パライソ県の山間部において「妊婦クラブ」活動を支援しています。「妊婦クラブ」では、診療所の看護師が地域の妊婦向けに出産や新生児ケアなどに関する妊産婦教育を行っており、人里離れた山村に暮らす女性たちが情報や知識を得られる貴重な機会となっています。本事業では、山村で偏りがちな栄養面を重視して、妊婦健診に来る妊婦へビタミン剤を配布する他、料理教室を開催して栄養バランスのとれた食事に関する啓発活動を行っています。また、産着やおむつなどをセットにした「新生児キット」の配布を通じて、産後健診の受診を促進しています。「妊婦クラブ」への参加は、健康維持や安全な出産につながります。

なお、このプロジェクトは、生活協同組合おかやまコープのご支援により実施しています。

保健医療サービスへのアクセス向上事業
(2017年4月-現在)

ヤウユペ市役所が現在所有する唯一の車両

ヤウユペ市役所が現在所有する唯一の車両


エル・パライソ県ヤウユペ市には公立保健所が1ヶ所しかなく、医師1人と准看護師1人で対応していますが、出産をはじめ骨折などの怪我や検査などには対応できず、二次医療施設のある首都のテグシガルパ市まで行かなければなりません。ヤウユペ市は市が所有する唯一の車で、月に15件程度の緊急搬送をしていますが、車両は老朽化し、都度修理して使用を続けているものの、持続的に搬送できる状況ではありません。そこで、本事業では、同市に緊急搬送用の車両を配備し、医療施設への搬送体制を整備します。また、保健ボランティアの育成と彼らによる住民への啓発活動を通じて、地域住民が母子保健に関する正しい知識を得ることを目指します。
この事業は、立正佼成会一食平和基金の助成を受けて実施しています。

安全なお産支援事業
(2017年3月-現在)
贈呈された3台の超音波診断装置と可動台

寄贈された3台の超音波診断装置と可動台

国際ロータリー第2780地区相模原橋本ロータリークラブ(神奈川県)および国際ロータリー第4250地区ダンリロータリークラブ(エル・パライソ県)が事業提唱者として行う本事業に協力団体として携わり、事業のコーディネートや保健ボランティアへの研修を行っています。本事業は、エル・パライソ県内の3ヶ所(ダンリ市、エル・パライソ市、トロヘス市)の母子保健センターへ超音波診断装置を設置し、医療従事者に対する超音波診断装置の使用法の研修、山間部の保健ボランティアへの研修、超音波診断の受診を促すための啓発活動を通じて、妊婦健診や出産時の超音波診断を推進し、妊産婦がより安全な周産期を過ごせる環境を整備します。

教育環境整備事業
(2016年11月-現在)

エル・パライソ県の山間部にあるセロ・ラレ村は、教育や保健といった公共サービスへのアクセスが非常に限られています。村で唯一の小学校は老朽化がひどく、屋根に多数の穴が開き、雨が降ると教室内に雨漏りして、子どもたちが満足に授業を受けることができない状況です。また、直下式トイレは汚物が溜まって使用できず、結果としてトイレを我慢したり野外で排泄したりすることは、学校の衛生環境と子どもたちの健康に悪影響を与えています。

本事業では、同村小学校の屋根の改修を行い、トイレを設置します。また、トイレの正しい利用方法に関する研修を行い、その後適切に利用されているかどうか確認し、必要なアドバイスをしています。

なお、このプロジェクトは、日蓮宗あんのん基金の助成を受けて実施しています。

プライマリーヘルスケア体制強化プロジェクト
(2015年4月-現在)

本事業は、JICA技術協力プロジェクトとして、アイ・シー・ネット株式会社と共同で実施されています。同事業は、ホンジュラス政府の要請を受け、「国家保健モデル」に基づく保健医療サービスを実施するために必要となる、保健医療行政機関及びサービス機関の実施体制や実施基準等の整備を目的としています。レンピーラ県とエル・パライソ県をパイロット地域として実施されており、AMDA-MINDSからは助産教育の分野で専門家を派遣し、教材・ツールの作成や保健従事者への研修を行っています。

母と子のプライマリーヘルスケアプロジェクト
(2014年8月-2016年10月)
FCMモニタリングを行う保健所の医師(左から2人目)看護師(右)と説明する保健ボランティア(中央)

FCMモニタリングを行う保健所の医師(左から2人目)看護師(右)と説明する保健ボランティア(中央)

エル・パライソ県南部3市(テクシグア、バド・アンチョ、ヤウユペ)には、最も近い保健所まで徒歩で4時間以上、車でも1~2時間かかる村が多くあります。アクセスが困難なことから、県内で最も保健サービスが行き届かず、地域住民、特に母子の健康に影響を及ぼしています。この事業では3ヶ所の保健所および管轄する村のうち13村を対象に、保健所スタッフやボランティアへの研修、妊産婦や両親への教育、コミュニティ薬局(FCM)の設置・運営支援、緊急搬送の仕組みづくりなどの活動を行いました。事業終了時には産後健診数や施設分娩数が増加し、各村で組織された緊急搬送委員会とそのシステムにより、必要な患者が搬送されるようになりました。

なお、このプロジェクトは、JICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型)として実施しました。

トイレ設置を通じた環境衛生改善プロジェクト
(2015年4月-2016年8月)

完成したトイレのモニタリング

完成したトイレのモニタリング


エル・パライソ県の山間部にあるロス・トロソス村、アグア・カリエンテ村では、村の約3分の1から半数の家庭がトイレを所有しておらず、不適切な汚水処理により衛生環境が悪化し、小児の下痢や肝炎が発生していました。本事業では、村の住民ボランティアからなる保健委員会が中心となって、トイレを所有していない世帯にトイレを設置しました。また、汚染物による病気の予防方法や健康被害をもたらす害虫・小動物などに関する保健教育を行いました。これらの活動により、村で汚水が適切に処理されるようになり、保健衛生に関する知識と意識が向上しました。

なお、このプロジェクトは、一般財団法人大竹財団、フェリシモ地球村の基金の助成を受けて実施しました。

完了したプロジェクト

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