持続可能なプロジェクトと地球 ホンジュラス事務所 山田留美子

2020/02/06

2017年8月からJICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型)として実施した「エル・パライソ県バド・アンチョ市における栄養改善に向けた家庭菜園普及プロジェクト」が2019年12月に終了しました。目標を上回る180世帯がトマト、ピーマン、玉ねぎなどの野菜を栽培するようになった他、ガンデゥル豆など日照りに強い豆を新たに取り入れたり、バナナ、パパイヤ、マンゴー、スターフルーツなどの果物を植えたりして、平均24種類の野菜、イモ類、穀物、果樹を育てています。またこの地域では一般的でなかった青パパイヤのサラダや赤かぶ・サツマイモの葉の炒め物など新しい調理方法も学び日常の食事に取り入れています。
 

狭い土地利用と虫よけのために空中に作った菜園

 
日本でも、猛暑は年々厳しくなっているとのことですが、ホンジュラスの乾燥地帯に位置するバド・アンチョも事業期間中、異常な猛暑と日照りに見舞われました。しかし、各家庭が、往復30分以上かけて水源まで水を汲みに行くなど、大変な努力をして菜園を発展させています。その原動力としては家族で栄養価の高いものを食べたいという欲求の他に自分たちの努力が環境改善にもつながるという自負があったように思います。
 
料理教室の様子

 
去年はスウェーデン人の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんが、9月の国連における怒りのこもった演説により日本でも有名になりましたが、普段の彼女は若いのに外国語である英語で落ち着いて理路整然と話せるものだと個人的に感心して注目していました。一方ここバド・アンチョでも家庭菜園に取り組むなかで、実感として年々少なくなる降雨量や枯れていく水源を見ながら環境問題がプロジェクト中の会議でもしばしば話題になるようになりました。グレタさんのことはここでは誰も知りませんが、彼女の主張とバド・アンチョの会議で話されていることに共通点が多かったのが興味深かったです。気候変動は選択肢の問題ではなく事実である、自分たちのできることに今すぐ取り組まなければならないなど。
 
近年ほとんどの家庭に電気が届くようになりましたが、それでも大多数はテレビ・冷蔵庫・洗濯機などを持っていません。市内で車を所有しているのも経済的に恵まれた数家族のみです。ですから、この地域の二酸化炭素排出量はほぼゼロに近いはずです。しかし、水利施設が整っておらず、ましてや冷房などはないので気候変動の影響を肌身で感じるのです。焼き畑農業をしないようにすること、使い捨てを前提とした大量消費主義に巻き込まれないようにすること、できる限り種の多様性を重視し化学物質を使わない伝統的農業を継続していくこと、などがプロジェクト最後の会合でも誓われました。
 
政府関係者などの前で将来の世代のために環境保護・家庭菜園継続を誓う人々

 
生活環境は大きく違いますが、地球規模で環境問題という共通の課題を抱えた私たち。意識の高いバド・アンチョの人々に、グレタさんは無理でも、ぜひ日本の支援者の方々に会って話をしていただく機会があれば良いなと夢見ています。
 
収穫物の人参と子供

 
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