2年間の活動を終えて~マダガスカルにおける環境保全と生計向上の取り組み

2023/07/11

マダガスカルの首都アンタナナリボ(通称タナ)もあり、人口の半分近くが集中する中央高地。タナから車で1時間半ほどの場所にあるツィアファヒ・コミューンで、2年にわたり実施してきた「環境保全を通じた持続可能な生計向上プロジェクト」が終了しました。
 

植林キャンペーンには、子どもからシニア世代まで約700人の地域住民が参加し、アカシアやユーカリ、河岸を保護するベティベールなど11,760本を植林しました。

 
川の流域の田畑を保護するために植林した苗木は1万本以上にのぼるほか、農業研修受講者の約7割が「研修受講前より収量が増えた」「次シーズンの種を確保できた」「マーケットに出荷する量が増えた」など、プロジェクトの効果を実感してくれています。
 

エドムンド ルコトニリナさんの話

これまで俺たち農家は、5パック分の種を植えたら、50パック分のエンドウ豆を収穫できてたんだ。ところが、良く育つようにと買った化学肥料が、決して安いものではないもんだから、収穫した後に気づいたもんさ、「こりゃ、もうけにならんかった」と。
ところがこのプロジェクトに参加して驚いたよ。同じ5パック分の種で、120パック分も収穫できたんだ。研修で教えてもらった堆肥や有機殺虫剤は、すぐ手に入るものだけで作れたから、化学肥料も殺虫剤も買う必要がなかったんだ。
収穫量が増えた分、実入りもよくなって、少しぜいたくな食事をとれるようになったし、ちょっとばかしだが貯金もできた。近い将来、自分の農地を増やせたらなぁと夢見ているよ。

 
 
「マダガスカル」と聞けば、バオバブの木やワオキツネザルなど、豊かな自然をイメージされる方も少なくありませんが、その実、無計画な森林伐採による土壌劣化と耕作地の減少という深刻な環境問題に直面している上、76%もの国民が貧困層とされる後発開発途上国です。
 
プロジェクトを実施したツィアファヒ・コミューンは、中央高地の中でも森林伐採による土壌の劣化が激しく、ほぼ唯一の生計手段である農業の持続性が脅かされていました。
 

ツィアファヒ・コミューンに流れる2つの川の一つ、シオアニ川。伐採の影響による川の氾濫で、周りの田畑に土砂が流入し、耕作できない状況に追いやられていました。

 
このプロジェクトを実施するにあたって、パートナーである現地NGOのCEMES(セメス)、日本から農業技術指導に赴いてくださった農業専門家の平野耕志(ひらのこうし)さん、そして活動経費を助成して下さったトヨタ環境助成プログラム事務局の皆さまと共にした想いは「地域の人々が、自ら気づき、学びを実践する過程に寄り添い、支えること」です。
 

マーゼルさんのお話

米や野菜作りの方法を教えてもらいました。研修で学んだことを実践に活かすことができたのは、私たちにもわかりやすく、とてもシンプルに教えてくれたから。農業と環境がどうつながっていて、何をしたら私の村に悪い影響が起きるのかを自分事として学べたから。そして、何を植えるべきか、どれぐらい植えるべきかといったことを、農家の状況や希望に合わせて、私たち自身で選び、決めさせてくれたから。そしてその後も、ほったらかしにすることなく、都度、足を運んでくれ、それぞれの農家に必要な情報や技術を教えてくれたから。収穫はまだ先ですが、田畑で育っている作物を見るだけで、私は確信しているんです。「今回はうまくいったな」と。
 

 
 
ツィアファヒ・コミューンに豊かな大地を取り戻すのは、まだ少し先のことかもしれませんが、アムダマインズは、これからも人々の想いに寄り添い続けたいと思います。
 

農業専門家の平野耕志さん、農家の方、スタッフ。平野さんは、植林した木々の栽培環境の調査・モニタリングに加え、野菜栽培技術に関する研修を実施してくれました。

 
 

関連記事
農業専門家・平野耕志さんの活動レポート「マダガスカルに豊かな大地を!
SGDs15の達成に向けた活動「アグロフォレストリー ~自然を育む農業~

 
 

公式SNS・メルマガでも情報発信中

アムダマインズでは、現地からの活動報告やイベント予定などを、公式SNSやメールマガジンでも配信しています。メールマガジンでは、他では公開していないオリジナルコンテンツ「スタッフのひとりごと」もお楽しみいただけます。

  •