おかやまコープとの7年間~ホンジュラスと日本のお母さんとのつながり~ 海外事業運営本部 林裕美

2021/04/05

生活協同組合おかやまコープ(岡山市北区)による「AMDA募金」(おかやまコープの公式サイトに移動します)の贈呈式が3月30日、岡山駅近くの主会場であるオルガ会議室と、県内6か所のサテライト会場ならびにAMDA-MINDSの現地事務所2か所(ホンジュラス、ネパール)をオンラインでつなぐ形で開催され、2021年度の活動支援金を贈呈いただきました。
 

贈呈式にて。中央左:おかやまコープ平田理事長、中央右:AMDA-MINDS理事長の鈴木、他、組合員の皆さまと(写真提供:おかやまコープ)

 
今回の贈呈式は、ホンジュラス事業担当の私にとって、いつにも増して特別なものとなりました。AMDA募金からは2014年以来、毎年ホンジュラスでの母子保健活動にご支援をいただいてきましたが、これまでの7年間にわたる取り組みを通じて期待した成果が挙げられたことを受け、2021年度からは新たにネパールでの活動を支援いただくことになったからです。
 
AMDA募金から最初にご支援をいただいたのは、日本でいうところのマタニティスクールの開催でした。2014年当時のホンジュラスでは、妊娠についての情報や知識が少ないため、妊娠期を健康に過ごせなかったり、安全なお産ができない妊婦がとても多く、そうした状況を改善するため、まずは妊婦自身が妊娠や出産について知る機会を提供することが必要だったからです。現地で「妊婦クラブ」と呼ばれるこの活動では、妊婦へのビタミン剤の供与、周産期に関する教育に加え、産後健診を受診した親子には新生児キット(新生児服、紙おむつ、せっけんなど)をお渡ししました。20か所の診療所で120回開催した妊婦クラブには、合計2,772人もの妊婦(ときには旦那さんも)が参加し、妊娠期を健康に過ごすための知識を得て、安全な出産に臨むことができました。
 
妊婦クラブの参加者たち(2016年2月)

 
妊婦クラブの活動が定着してきた2017年からは、0~2歳児への情操教育面にも目を向けられるようになりました。ホンジュラスではまだ、情操教育という概念はなじみのあるものではありません。日本の親子クラブや保育園のように、乳幼児の発達を促すようなはたらきかけについて教えてくれる人も場所もありません。そこで8か所の診療所では新たに「キッズクラブ」の取り組みをはじめ、延べ1,160人の親子が参加しました。
 
キッズクラブでは、母親が乳幼児の発達およびその段階に適したはたらきかけを学ぶだけでなく、絵本、積み木、工作、ぬり絵などで母子が共に遊ぶ時間を設けるよう工夫しました。実際、母親が夢中になって子どもたちと楽しく遊ぶ姿をよく目にしましたが、それもそのはず。母親自身、このような情操教育をうけたことがなく、また経済的に厳しく多忙な毎日を送る中で、このキッズクラブで過ごす親子水入らずの時間がかけがえのないひとときになっていたからです。月に1回のキッズクラブに参加するのを心待ちにしていると、多くの親子が話してくれました。参加した親子に渡した子どもキット(シャボン玉やパズルなどの玩具と食器)も大好評でした。
 
ホンジュラスのお母さんたちから「ありがとう」。逆さのものがあるのはご愛敬(2018年11月)

 
この他にも、保健サービスが提供される環境を整えるために、診療所へのキッズスペースの設置や、エコー検査室へのエアコンの設置などもご支援いただきました。
 
おかやまコープとの7年間で、私が特に励まされたのは、組合員の皆さまから寄せられた、心からの応援でした。地理的に遠く、多くの日本人にとってなじみのない中米の国、ホンジュラスを知ろうと、「まるごとホンジュラス」というイベントを岡山県内各地で開催してくださいました。イベントを通じてホンジュラスという国、そこで生きる親子を身近に感じてくださるようになった組合員の皆さまからは、心のこもった手作りのプレゼント(メッセージカード、折り鶴のブローチ、ミサンガ、シュシュ/ヘアゴム、マスク、赤ちゃん玩具など)が現地へ贈られるようになりました。「同じ女性として、母親として、一緒に頑張ろうね」という組合員の皆さまからの想いを受け取ったホンジュラスのお母さんたちからもお礼のメッセージが届けられるようになり、両国のお母さんたちの絆が深まりました。
 
今年もたくさんの手作りプレゼントをいただきました

 
「組合員はホンジュラスへの理解を深めながら、毎年現地のお母さんたちと交流を続けてきたことで心のつながりもでき、『支援しなくては』というよりは、遠くのおともだちに『元気?』という気持ちを送る感じになったのではないかと思います。」組合員を代表する方よりいただいた言葉です。
 
ホンジュラスと日本。そして、これからはネパールも。おかやまコープを通じて、3つの国の親子がつながることで、お互いにもっと元気をもらえそうです。
 
コロナ禍のため、大人数で集まることが難しい中、どうにかしてみんなで想いを共有できる場をつくれないかと、長い時間をかけて企画され、入念な準備を重ねて贈呈式を開催してくださったおかやまコープ組合員の皆さま、職員の皆さま、素晴らしい時間を本当にありがとうございました。そして、7年間のホンジュラス事業へのご支援に、心より感謝を申し上げます。
 
贈呈式のホンジュラスタイム。筆者(右)が、ホンジュラス事務所からオンライン参加したスタッフの白川(スクリーン内)と7年間の成果を発表。進行役は、おかやまコープ市川全体理事(左)

 
 

林裕美(はやしひろみ)
海外事業運営本部 プログラムコーディネーター

 
1993年のカンボジア総選挙で、選挙監視の国連ボランティアとして活動していた日本人が現地で殺害された事件をきっかけに、国際協力に関心を持つ。大学卒業後、民間企業を経て2001年にアムダ海外事業本部(AMDA-MINDSの前身)入職。カンボジアでのコミュニティ開発事業、インドネシアでの復興支援事業に従事後、2007年から現職。趣味はピアノ、読書。岡山のお気に入りスポットは、岡山県自然保護センター。福岡県出身。