ザンビア コミュニティセンターの挑戦~自立発展性の向上を目指して~ 海外事業運営本部 大谷 聡

2021/01/22

いきなりですが、国際協力への興味や、AMDA-MINDSへの支援などを目的に(いつもありがとうございます!)この記事を読みに来てくださった方々へ質問です! 皆さんは、現地の人々にどのような生活をおくってもらいたいと考えていますか?
 
「経済的に豊かになって生活が向上してほしい」、「人々が病気にならず健康でいてほしい」、「子どもたちが十分な教育を受けて夢をかなえてほしい」など、想いは様々だと思います。私も皆さんと同じで、こうした想いを現地の人々が自分たちの力で実現し、継続していってほしいと強く願っています。
 
今回は、私自身も2005年から15年以上にわたり携わっている、ザンビアのコミュニティセンターの自立発展に向けた取り組みをご紹介したいと思います。
 
コミュニティセンターは首都ルサカ市の貧困地区の一つ、ジョージ地区にあります。ルサカ市保健局管理の下、社会貢献活動(職業訓練、青少年・少女活動など)と、ビジネス(農業、養鶏など)による収益の一部を地区唯一の保健センターに還元することを通じて、住民の生活向上と健康・福祉の増進を図っています。例えば、洋裁教室によって女性の技術向上と就労を支援したり、栄養補給が必要な保健センターの患者に大豆やトマト、鶏肉などの農畜産物を提供したりしています。
 

主食メイズの順調な生育状況に誇らしげなコミュニティセンター所長のPhiri(左)と会計士のChilebe(右)

 
AMDA-MINDSはルサカ市保健局からの委託を受け、2002年からコミュニティセンターの運営をサポートしてきました。私自身を含む現地駐在員が、青年海外協力隊員らの協力を得ながら、職業訓練や養鶏ビジネスなどの活動に取り組み、それ自体は順調に進んできたのですが、それをどのようにコミュニティセンターのスタッフだけで維持・発展させられるか、つまり独立採算体制の確立が長年の課題でした。そんな折、スタディツアーでザンビアを訪問した則岡美保子さんがコミュニティセンターの意義に深く共感され、大きく後押しをしてくれました。具体的には、同氏の寄付によりルサカ市内で賃貸住宅を建設・運営し、その家賃収入をコミュニティセンターの運営費に充てることで、活動を自立的に維持・発展させていくというものでした。
 
賃貸住宅の家賃収入をコミュニティセンターに寄付する筆者(右)

 
そのおかげで2013年には独立採算体制を確立でき、ルサカ市保健局と地域住民とで構成される運営委員会によって自主的に運営されるようになりました。もちろん、すぐに「すべてが順風満帆!」という訳にはいきませんでした。しばらくの間、コミュニティセンタースタッフと運営委員会メンバーによる試行錯誤の日々が続きましたが、そのプロセスは彼らにとって大きな学びとなりました。
 
大きな追い風になったのが「コミュニティセンターを支えたい」と様々な関係者から積極的な協力を得られるようになったことです。例えば、ルサカ市保健局はコミュニティセンターの財務管理に欠かせない会計士を派遣し、パソコンを提供しました。農作業の人手が足りないときは、地区の住民が手伝いを申し出てくれるようになりました。こうした協力もあり、一時中断せざるを得なかった洋裁教室を復活することができたり、農地の一部貸出で新たな収益を得られるようになったり、徐々にではありますが、活動の幅が広がり、経営基盤も安定してきました。そしてついに2018年からは、独立採算を維持しながら、保健センターを訪れる患者や奉仕活動をする保健ボランティアに農畜産物を供与できるようになるなど、本来の役割を果たせるようになったのです。
 
保健センタースタッフに、収穫した農産物を供与するコミュニティセンタースタッフ(左)

 
AMDA-MINDSはこれからも引き続き、コミュニティセンター運営の更なる質の向上に向け、運営委員会の自主性を大切にしながら協力を行っていきたいと思います。
 
 

大谷聡(おおたにさとし)
海外事業運営本部 プログラムコーディネーター

大学生の時に参加したスタディーツアー(タイ)や、難民キャンプでのボランティア活動(クロアチア)が国際協力の道をめざすきっかけに。卒業後、民間企業を経て、イギリスの大学院で公衆衛生学修士号を取得。2005年にアムダ海外事業本部(AMDA-MINDSの前身)入職。アフリカのシエラレオネやザンビアにて、保健プロジェクトに公衆衛生専門家として従事。趣味はジョギング、アウトドア活動、旅行、スポーツ観戦。岡山のお気に入りスポットは、旭川・百間川沿いのジョギングコース。千葉県出身。

 
 


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