ニジェールで軽食を 海外事業運営本部 松本千穂

2023/06/12

マテ・アラン・ゴ!(ザルマ語で「お元気ですか」)
 
今日のニアメの気温はたった37℃。まだ本格的な雨期の前で湿度が低いため、滞在しているアパートのエアコンの設定温度は29℃ですが涼しく感じます。ちなみに私の場合、就寝中はエアコンはオフ、シーリング・ファンのみが基本です。エアコンをつけっぱなしで寝ると、停電が起きた場合、復旧時にブレーカーが落ちることが多く、気づかず朝まで寝ていると、冷蔵庫内の食品が傷んでしまう恐れがあるので…。
 
そのため、朝びっしょり汗をかいて目が覚めたら、まずはシャワーを浴びるのですが、寝坊をした時はちょっとドキドキします。水がチョロチョロとしか出なかったり、最悪、シャワー中に水が止まったりすることが時々あるからです。長時間停電のせいで給水施設のポンプが止まると、配水管の水圧が次第に下がり、そのうち蛇口から水が出なくなってしまうらしいのです。
 
本稿執筆中も、かれこれ3時間ほど蛇口から水が出てきません。停電の後、時間差でやってくるこの水攻めは困りもの。電気と水道があるだけでもありがたいと思うべきでしょうが、日本の便利さに慣れた身にはやはり不便です…。
 
そんなこんなで朝食抜きで出勤せざるを得ない日は、事務所近くの露店で軽食を調達して乗り切ります。代表的なニジェールの軽食をご紹介します。
 
マサ:米粉から作る小さめのモチっとしたホットケーキのような食べ物。唐辛子と塩などをミックスした粉を付けていただきます。たこ焼き機を大きくし、穴を浅くしたような鉄板で焼いているので、マサの露店は分かりやすいです。
 

大きな専用の鉄板でマサを焼く露店のお母さん

プロジェクト事務所でマサを頂く筆者

チェチェナ:長いインゲン豆のような見た目をしているササゲ豆の粉で作る小さな揚げ物。ほんのり豆の味を感じながら、ピリ辛の粉かソースを付けて食べます。他の軽食も同様ですが、露店によって、また日によっても、付け合わせの粉やソースの配合・味付けが微妙に違うので、今日は特に好みの味!という日はラッキーデイです。
 
アワラ:豆乳に凝固剤を加えて固め(つまり豆腐!)小さく切って揚げた食べ物。少し硬めの食感ですが、見た目も味もまさに厚揚げ。辛めのソースを付けて食べます。もともとニジェールの東部から、南隣のナイジェリア北部にかけて住んでいたハウサ族の食べ物らしく、ニジェール西部のニアメでは露店が少ないのですが、私のイチ押しです。
見た目も味も厚揚げのようなアワラにはピリ辛ソースを付けて頂きます

 
また、市場まで足を延ばす必要があるので露店の軽食ほど入手は手軽ではありませんが、小腹が空いたときに摘めるニジェールの保存食として、キリシ(薄いビーフジャーキー)やチェク(パリパリに乾燥した薄いチーズ)、バッタの干物(ザルマ語でド、ハウサ語ではファラ)などがあります。地方出張した人からお土産でもらうほうが質の良いものに当たる可能性が高いです。日本からはるか遠いニジェールの食べ物。意外と?口に合いそうだと思いませんか。
 
保存のきかない生乳をチーズ(チェク)に加工する知恵が遊牧民の親から子へ引き継がれています

目を閉じて食べればまるでエビのような味のバッタ

 
 
 

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この記事を書いたのは
松本千穂(まつもとちほ)
海外事業運営本部 プログラムコーディネーター


高校生の時に青年海外協力隊OGの先生の経験談を聞き、国際協力に関心を持つ。大学卒業後、金融系企業に勤務している間も、休みの都度バックパッカーとして途上国を巡るうち更に興味をかき立てられ、青年海外協力隊に参加。ニジェールでは農村の女性グループの能力強化、ザンビアではコミュニティセンターの運営改善を支援。2013年にアムダマインズ入職。最近、自宅出産がまだ多かった時代のロンドンを舞台にした「Call the Midwife」という連続ドラマの助産師たちを見ながら、ネパール駐在中に担当した母子保健事業を思い出しました。石川県出身。

 

 

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