母子の健康格差是正に向け新プロジェクト開始(ネパール)

2019/03/13

2019年2月15日、在ネパール日本国大使館にて、外務省NGO連携無償資金協力事業「ダン郡ガダワ地区における母子の健康格差是正事業」の贈与契約署名式が行われました。この事業では、同じ地域内で母子の健康に大きな格差があるダン郡ガダワ地区にて、基礎保健医療サービスへのアクセスの改善を通じた健康格差の是正を目指します。

贈与契約を交わす吉岡雄三参事官(右)と奥田(ネパール事務所業務調整員)


ネパール政府は、遠隔地にある集落の居住者や社会的脆弱層に対する公的保健医療サービスの拡充を通じ、2030年までに国内の健康格差を是正する政策を掲げていますが、2015年の大地震からの復興途上でもあり、国全体で健康格差が是正されるまでには、まだ乗り越えなければならない課題が山積しています。

事業対象地のダン郡ガダワ地区もまた、少数民族、低カースト層など、社会的弱者が多く住む地域です。母子保健指標は国全体や近隣地域と比べてかなり低い上に、地区内の健康格差が顕著で、例えば、妊婦健診受診率は地区内で約4倍(最大74.1%、最低20.1%)の差があります。

ガダワ地区の様子。最も近い村の診療所までは歩いて1時間の道のり。


そこで本事業では、地域住民に最も身近な公的保健医療機関のサービス強化、ならびに地域住民の保健知識の向上を支援し、基礎保健医療サービスへのアクセスを改善することで、母子の健康格差の是正を目指します。

ガダワ地区の全診療所で、医療資機材が不足しています


署名式では、吉岡雄三参事官より「コミュニティの一人でも多くの母と子の健康が向上すること、またこのプロジェクトを通じて、日本とネパールの友好関係がより深まることを願っています」とのお言葉を頂戴しました。

皆様からのご支援・ご協力をどうぞよろしくお願いします。