MINDS登山部 5,360メートルへの道のり ①準備は入念に

2014/06/24
みなさん、ナマステ(こんにちは)。今日から5回連載(不定期)でお送りする特別企画、MINDS登山部(部員1名)のネパールヒマラヤトレッキング追想録です。2012年10月16日から27日の12日間に及んだ感動のヒマラヤから1年。ようやく興奮もおさまってきたところで、あの日々を振り返ろうと思い立った次第です。余談ですが、ネパール人と話をしていると「ヒマラヤは日本にあるか?」と尋ねられることがたまにあります。最初は、「とんちんかんなこと言ってるなぁ」と首をかしげるばかりでしたが、実は「ヒマラヤ」って、ネパール語では”Himal(ヒマール)”と言って「雪をかぶった山」という意味なので、富士山も「ヒマラヤ」なのですね。

さて、そのヒマラヤですが、ネパールには、世界最高峰(8,848m)のエベレストを始め、世界に14座ある8,000m峰のうち8座があります。ネパールでは、7,000m以上に登る場合をエクスペディション、それ以下をトレッキングと明確に区別していて、後者の場合は基本的に誰でも挑戦できます。トレッキングルートも標高や日数に応じて様々なものがあって、初心者から登山上級者まで「来るもの拒まず」な懐の広さはさすがです。

ところでわたくし、ヒマラヤどころか日本国内でも中学校行事の大山登山(1,729m)しか経験がない「登山超初心者」ですが、母が言うところの「向こう見ずで大きなことをしたがる」性格が先行し、トレッキングルートの中でも難易度が高いと言われる「ゴーキョ・ピーク(5,360m)」を目指すことにしました。なぜか。行くからには、やはり世界一のエベレストを自分の目で見たい。でも、エベレストベースキャンプにはみんな行くから、人と違うことをしたい。

そんなわけで、私の「ゴーキョ・ピークプロジェクト」はひっそりと開始されたのでした。

まずは身体を作らねば、と始めたのがランニングと筋トレ。幸い、標高1,300mのカトマンズに住んでいたので、普通に走っていてもちょっとした高所トレーニングになります(おかげでお酒も強くなりました)。これを4ヶ月続けて、体重もいい感じに落ちました。過去に何度となくダイエットに挫折してきた私ですが、今回はネパールの神様が応援してくれていたようです。

続いて登山グッズの調達です。カトマンズは、ヒマラヤを目指す世界中の登山者が集まる玄関口で、登山用品は、正規品もそうでないものも含め手に入らないものはありません。私は、バックパックとトレッキングシューズ、ゴアテックスの雨具だけはメーカーの正規品を購入ました。

カトマンズ近郊の山に、トレッキング練習にも行きました。標高は2,600m程でしたが、往復7時間半55km、帰りは豪雨に見舞われるという修行の旅でした(でも、ゴアテックスの威力を確認できたのでよかった)。

このように、少しずつ準備を進め、日程を組み、トレッキング許可証をとり、ガイドや航空券の手配をし、ヒマラヤに向けて着々と気持ちを高めていったのでした。

普段はどちらかというと行き当たりばったりなことが多いのですが、我ながら驚くほどの入念さ。これが功を奏したと、後々何度も思い返すことになるのでした。

「②出発。ルクラからナムチェバザールへ」に続く。

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事業地バイラワへ向かう飛行機からのヒマラヤ
世界中の登山者が集まるタメル地区
世界中の登山者が集まるタメル地区

豪雨に見舞われながらのトレッキング練習
豪雨に見舞われながらのトレッキング練習