栄養失調の改善と予防 ー保健センターでの取り組み 青年海外協力隊 大島由利子

2013/11/07
日本の皆さん。こんにちは。ザンビアで公衆衛生隊員として活動している大島です。「都市コミュニティ小児保健システム強化プロジェクト」の連携隊員として、対象地であるカブウェ市にある保健センターに配属され、主に小児保健分野の活動を推進する活動を行っています。

アフリカでの栄養失調の原因は「貧困=食べ物がない」というイメージが大きいと思いますが、私の地域は市場も充実しており、ザンビア・フードがあふれています。しかしながら、栄養失調児の数は後を絶ちません。それは、教育レベルの低さから、保護者に適切な育児の知識がなく、乳幼児に対する十分なケアを怠っていることが原因のひとつとしてあります。ある人は、生まれて数ヶ月のまだ母乳が必要な乳幼児を年少の兄弟に預けて、日銭稼ぎに出かけてしまったり、飲酒やギャンブルを優先し育児がないがしろにされたりしているという現状もあります。

離乳食という概念も少なく、大人と同じもの(咀嚼しにくいもの)を乳幼児に食べさせたり、ビスケットやスナック菓子、炭酸ジュースなどを幼児に与たりしている親もとても多くみかけます。母乳のみを与えることが推進されている6ヶ月未満の乳幼児に水やポリッジ(白とうもろこしなどを使って作るお粥)を与えてしまう。こういった背景には伝統的な風習も絡んでくるのですが、子どもの栄養に関しての知識が少ないがゆえに、体重が伸び悩んでいる、いわゆる低体重予備軍の子どもたちが大勢います。また、衛生環境も良くないことから、下痢症を罹患する子どもも多く、そのような子どもは、食欲が減退し脱水から体力も衰退し、栄養失調に陥る危険性がとても高いといえます。ザンビアは今暑い乾季の真っ只中、そして11月から3月までは雨季を迎えるため、もっとも下痢症罹患の危険性が高まる時期にあたります。

保健センターでは、このような問題に対して、地域のボランティアさんたちと協働しながら、予防啓発活動を行っています。その一つに、調理実習を通じて乳幼児の栄養改善のための離乳食作りを指導しています。この離乳食というのが、「地元の食材を使って、バランスダイエットを推進する」というコンセプトに基づいて行われています。バランスダイエットとは炭水化物、たんぱく質、ビタミン等をバランスよく摂取することを指しています。乳幼児は、一回に摂取できる食事の量が少ないため、特に栄養失調児に対する食事指導の際は、離乳食に少量の油や砂糖などを加えてカロリーを補うように指導します。また、乳幼児が食べやすいようにすりつぶした野菜やピーナッツを粉砕したものなどをポリッジに混ぜて調理するといったことを実践を交えて母親たちに伝えていきます。私も、この活動に参加する際は、味見させてもらいますが、どれもおいしい!子供たちも、喜んで食べてくれます。母親たちにも試食してもらい、離乳食の作り方を学んでもらうだけではなく、食事前に手洗い指導を行い、下痢症の予防啓発も同時に行います。

この活動のほとんどは地域のボランティアさんが中心となって行われています。しかし、私たちの保健センターはこの活動を毎回まかなうだけの予算がついておらず、活動が停滞しているのが現状です。

それを解決するひとつの手段として、保健センターで家庭菜園を始めることになりました。少ない予算の中から、苗を買い、ボランティアさんとともに畑を耕すところからはじめ、現在、数種類の野菜を育てています。収穫した野菜は一部調理実習で使用、また、残りの野菜は販売することで、実習の際に必要なほかの材料を買う資金や次の苗を買う資金に当て、継続的な活動となることを目指しています。

このような活動を通じ、ひとりでも多くの保護者がきちんとした知識を持ち、子どもたちの健やかな成長が推進されることを願ってやみません。
日々の活動の中で、子どもたちの笑顔に触れることが、私の活動を続けていく特効薬となっています。これからも、地域に根ざした活動を推進できるよう頑張っていきますので、皆様応援よろしくお願いします。

ボランティアさんとガーデニングを行う筆者(右)。玉ねぎ、にんじん、白菜などを育てています
ボランティアさんとガーデニングを行う筆者(右)。玉ねぎ、にんじん、白菜などを育てています
クッキングデモンストレーションで作った乳幼児食を試食する男の子
クッキングデモンストレーションで作った乳幼児食を試食する男の子

クッキングデモンストレーションでポリッジをつくるボランティアさん
クッキングデモンストレーションでポリッジをつくるボランティアさん