ミャンマーの民族衣装、ロンジー/ヤンゴン事務所 ザー・チ・トゥエ

2015/06/25
こんにちは!私はヤンゴン事務所の会計士です。今回は、私の愛してやまない、ミャンマーの民族衣装を紹介します。

①仕事中の筆者
①仕事中の筆者
どの国にも特有の衣装があります。日本の着物、インドのサリーといったように。ミャンマーのそれは「ロンジー」です。遠い昔から今日まで、ミャンマーの人たちは誇りを持ってロンジーを着続けています。ミャ ンマーは多民族国家で、136に細分される民族が8グループ(カチン族、カヤー族、カイン族、チン族、ビルマ族、モン族、ラカイン族、シャン族)に大別さ れますが、そのそれぞれが独自のロンジーの模様や型を持っています(写真2、3)。ダイヤ形の刺繍が特徴のカチン族のロンジー、ジグザグ模様といえば ビルマ族のロンジー、黒、赤、緑などはっきりした色使いが目を引くチン族のロンジー。私はだいたいどの柄も持っていますが、友人がカイン州へ行ったお土産 としてプレゼントしてくれたカイン族のものが、お気に入りです(写真4)。

②左からチン、カチン、バマー、シャン
②左からチン、カチン、バマー、シャン

③カイン、カヤー、ラカイン、モン
③カイン、カヤー、ラカイン、モン

④お気に入りのカイン族のロンジーです
④お気に入りのカイン族のロンジーです
学校の制服としても、家でゆっくり過ごす時間も、職場でも、晴れ舞台も、私達はロンジーを着ます。それぞれの場面にあった素材や色、柄があり、例え ば学生や教師は無地の緑、看護師は無地の赤と決まっています。また、女性のロンジーを「タメイン」、男性のロンジーを「パソー」と呼び、結婚式や卒業式な ど晴れの舞台で着る波のような模様は「アチェ」、ブラウスによく使われる花柄の生地は「ザー」(写真5)と呼ぶなど、ロンジーにまつわる言葉も色々ありま す。価格帯は布地の滑らかさや模様などによって幅広く、300円前後から10万円を超すものまであります。あちこちの店や市場で扱われている、生活になく てはならないものなのです(写真5)。ロンジーの着方は簡単です。布は輪っか状に縫われているので、輪の中に入り、女性は腰の左側に布を 引っ張り、その端をかえして腰の右側にたくし込みます。男性は、布の遊びを体の両脇にとり、両端を正面でねじって結びます(写真6)。女性のロンジーには 「アテッシン」と呼ばれる黒い布がロンジーの上部に細くあてられていて、ひだが右腰にくると「ヤンゴン式」、左腰だと「マンダレー式」と呼びます。仕立て 屋に行くと、どちらにしたいか聞かれますよ。

⑤晴れ舞台ではアチェとザーにストールをまといます
⑤晴れ舞台ではアチェとザーにストールをまといます

⑥ロンジーの着方
⑥ロンジーの着方
私は洋服も着ますが、ほとんどの日はロンジーを選びます。ジーンズほど体が締め付けられず快適ですし、何よりロンジーを着ると気持ちが引き締まりま す。ヤンゴンやマンダレーといった大きな街では、若者たちが短いスカートやジーンズをはいている姿を見かけますが、そうした新しモノ好きな彼らでも、3 セットはロンジーを持っているでしょう。仏教行事やパゴダ(仏塔)にお参りに行く時には、皆ロンジーを着るものだからです。ロンジーにミャンマーブラウス、ストールで1セットです。この1セットを着たなら、誰でもミャンマーのお姫様のように見えます。ミャンマーにいらっしゃる機会があれば、ぜひロンジーを着てみてくださいね。