震災復興支援活動

カブレパランチョウク郡における農業振興を通じた被災地復興支援事業(2017年3月-2019年11月)
収穫物を共同出荷する農業グループ

換金作物の生産・販売支援を通じ、カブレ郡ロシ地区被災者約7千人の生活再建を支援しました。
農家に換金作物の栽培技術指導を行った他、灌漑設備の整備を通じて283世帯で水へのアクセスが改善され、乾期の作物栽培も可能になりました。また、「ぼかし肥料(土と有機物を混ぜ発酵させてつくる肥料)」は「BOKASHI」の名前とその効果が対象地全域に知られるようになりました。複数の世帯から収穫物を集めて共同出荷をしたり、農家が協力して地元の幹線道路沿いで「青空市場」を開催するなど、収入を得るための試みも始まっています。
なお、本事業は、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。

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2020年1月:カブレパランチョウク郡での事業を振り返って
2019年11月:「行動宣言」を採択!農業振興を通じた被災地復興支援事業の集大成
2019年3月:活動3年目を迎えました
2019年2月:地域を、人生を変えゆくネパールの女性イノベーターたち
2019年1月:コトゥトゥンカ村に水がきた!
2018年3月:活動2年目を迎えました
2018年3月:国際女性デーに寄せて

アグロフォレストリー推進事業(2018年7月-2019年6月)
コーヒー苗木の植栽
コーヒー苗木の植栽

カブレパランチョウク郡ロシ地区において、環境保全と農業所得向上・多様化の両立を目指す「アグロフォレストリー」の推進に取り組みました。具体的には、苗木の供与(土壌流出防止を目的としたウティス(和名ハンノキ)や、農業所得向上・多様化を目的としたレモンやコーヒー)、植栽・栽培技術指導に加え、農業用水確保が特に困難な世帯には簡易貯水池の設置を支援しました。また、小中学校に通う子どもたちが中心となり、各学校での啓発活動と合わせて植林活動を実施しました。なお、本事業は(公社)国土緑化推進機構「平成30年度緑の募金」を活用して実施しました。
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2019年7月:村の未来のための新たなステップ
2018年7月:アグロフォレストリー推進活動開始

幼稚園環境整備プロジェクト(2017年11月-2018年10月)

 

カーペットとクッションのおかげで快適にすごせるようになりました

震災からの復興が遅れていたカブレパランチョウク郡ロシ地区の24の幼稚園を対象に、幼児が楽しく安心して過ごせる環境づくりをめざし、パズルやクレヨンなど55種類の教材や、カーペット、クッションなどを供与した他、幼児教育の重要性を啓発するオリエンテーションを、全24園の先生と保護者に対して開催しました。保護者からは「子どもが自分から幼稚園に行きたがるようになった。教室も整備され親も子も安心だ」という嬉しいコメントが寄せられました。なお、このプロジェクトは、株式会社フェリシモ「ネパール中部地震100円義援金」からの支援により実施しました。
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2018年12月:完了のご報告(外部サイトへリンクします)
2018年6月:活動の進捗状況レポート(外部サイトへリンクします)
2017年11月:プロジェクトを開始しました

カルパチョウク行政村における生活改善事業(2014年3月-2017年9月)
ビニールハウス栽培研修の様子
ビニールハウス栽培研修の様子

2014年より、カブレパランチョウク郡カルパチョウク行政村で、生活改善、水へのアクセス向上、保健衛生改善に向けた活動を実施しました。カルパチョウク行政村には、少数民族であるタマン族や社会階層の最下層に位置づけられるダリットなどが多く住み、ネパール国内でも「特に貧困世帯が多い地域」に指定されています。
生活改善活動では農家120世帯に対し、ぼかし肥料(堆肥や草を土と混ぜ、発酵させて作る)を導入した土壌改善や、換金作物となるカリフラワーやビニールハウスを使ったトマトの栽培技術を指導しました。また、農業・生活用水確保を目的とした水供給設備の整備(自然流下式水供給システムや雨水貯水タンクなど)を通じて、水不足が深刻な集落にも水が来るようになり、乾期でも野菜栽培ができるようになりました。この他、ヘルスキャンプ(無料の診療サービス)や水と衛生、病気予防などの保健啓発活動を行ったり、水源保全研修、家畜飼育研修など幅広い活動を実施し、対象地域の生活改善を総合的に支援しました。これまでの取組みを通じ、カリフラワーやハウストマト栽培に成功し、農業収入が年3~4万円増えた農家があらわれるなど、少しずつ成果が見えはじめています。
なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。
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2017年6月:水供給施設が完成しました

カブレ郡3行政村における震災後住居再建支援事業(2016年12月-2017年6月)
家屋解体研修の様子
家屋解体研修の様子

2015年4月25日に発生した地震で甚大な被害が発生したカブレパランチョウク郡の3行政村(カルパチョウク行政村、シパリ・チラウネ行政村、ワルティン行政村)において、被災した世帯の住居再建を支援しました。
対象3行政村の約1,400世帯のうち、7割以上の世帯が生活の基盤となる家を失いました。震災後1年近くたっても、倒壊した家屋の瓦礫は手つかずのまま、人々はトタン板で作った簡素な仮設住居で生活していました。その理由として、経済的なものの他に、中途半端に崩れた家屋の解体方法の知識・技術が不足しているという課題がありました。 そこで、対象地域住民に対して、安全面に配慮した家屋解体研修や、石材・木材の加工技術と耐震構造を踏まえた建設技術研修を実施する他、最貧困世帯に対して建設資材や道具を供与するなどし、住民自らが住居や住環境を再建できるよう支援しました。
なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。

ダディン郡におけるコミュニティ建設技師養成事業(2015年7月-2017年7月)
大工育成研修の様子
大工育成研修の様子

2015年4月25日に発生した地震の震源地(ゴルカ郡)の東隣に位置するダディン郡において、住居再建を担う地域技師(石材や木材の加工を行う大工職人)と地域建設作業員を育成しました。
ダディン郡は、同地震で最も甚大な被害を受けた6郡の1つとされています。733人が死亡、952人が負傷した他、家屋の9割以上が倒壊し、被災者一人当たり約15万円(平均的なネパールの農家世帯年収の約5倍)もの被害が出ました。生活の基盤である住居を失った人々の6割はビニールシートやトタン板などを利用した簡易住居で生活し、2割の人々は仕方なくひび割れた元の家に戻って暮らし続けていました。皆、1日も早く安全な家で暮らしたいと願っていますが、資金不足はもとより、耐震構造に精通した地元の建設技術者・作業員が不足していることもあり、住居の再建は思うように進んでいませんでした。本事業では、地理的に特に支援が行き届きにくい北部20行政村における住居再建を加速させるため、地域技師と地域建設作業員の育成研修を実施しました。
なお、このプロジェクトは、外務省「日本NGO連携無償資金協力事業」として実施しました。
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2017年5月:新しい家が続々建設中!
2016年7月:贈与契約署名式が開催されました