【報告】10周年企画第1弾 :Finds MINDS「開発途上国の母子保健を学ぶ」

2017/04/11
挨拶する鈴木俊介理事長
挨拶する理事長鈴木俊介
10周年記念ロゴの紹介
10周年記念ロゴの紹介
「母子保健事業の歩み」について田中海外事業部長
「母子保健事業の歩み」海外事業部長田中一弘
報告する松尾美江 駐在員
報告する駐在スタッフ松尾美江

4月7日(金)、2017年度最初の “finds MINDS” を行いました。今年度はAMDA-MINDSが設立されて10周年を迎えることから、finds MINDSを10周年企画イベントとして実施しています。

今回のテーマは「開発途上国の母子保健を学ぶ」でした。はじめに理事長の鈴木より、これまでのご支援への感謝、そして今後の10周年企画への期待とお誘いをお伝えしました。次に海外事業部長の田中より、10周年に合わせて作成された記念ロゴが紹介されました。そして、当団体の母子保健事業10年の歩みについて、2007年の設立以降、アジア・アフリカ・中南米の各国において、様々な支援・スキームを活用して母子保健事業に取り組んできたことをお話しました。また、SDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)やユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC=Universal Health Coverage)という概念についても説明しました。

そして、今回の報告国であるミャンマーの状況、また今年2月に開始されたパウッ郡における母子保健事業について、3年間現地に駐在している松尾が報告しました。パウッ郡は乾燥地域で水が少なく、天水に頼る農業を生業としている人々の収入は不安定です。農業が可能な場所を求めて、もともとの集落から離れたところに新たな集落が形成され、保健医療施設へのアクセスもさらに遠くなっています。保健センターは毎月1回、村に出向いての予防接種を実施していますが、実施場所はもともとあった集落にとどまっており、新たな集落の住民まで保健サービスが届いていない状況です。また、このような集落の母子保健状況として、90%以上の妊婦が、親戚や資格を持たない介助者に頼って自宅分娩をしており、それらの介助者が介助前に石鹸で手を洗わないことや、特別な道具を使わないことなどが分かりました。

このような状況に対して、遠隔地の集落を対象として「安全な出産と新生児ケア推進プロジェクト」を開始しました。プロジェクトでは、住民自身が保健知識と対応力を身につけること、公的保健医療機関からサービスが提供されるための連携強化、安全な出産につながる環境整備(例:水供給施設の設置)などの活動を行い、妊産褥婦と新生児の健康を守るために、住民自身が行動していくことを目指します。

パウッ郡の遠隔村での活動は始まったばかりです。保健行政によるサービスが届かない地域すなわち周縁にいる人々が、保健医療サービスにアクセスできるようになるために、引き続き皆様のご支援をお願いいたします。

このイベントの模様は、山陽新聞のWebサイトでも紹介されています。
http://www.sanyonews.jp/article/513914/1/