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10日ほど前、九州大学箱崎キャンパスの一室を借りて「効果検証プログラム」の福岡説明会を実施した。
出席者は6名と少なかったが、彼(女)らが所属するすべての団体が国際協力活動を実践しており、講師役である私の拙い説明を熱心に聞いて下さった。
今日までに、札幌、仙台、大阪、広島、福岡の5箇所で開催され、今月後半から来月中頃にかけて、プログラムの一部紹介にとどまる沖縄を含め、名古屋、岡山、東京の4箇所で実施される予定である。東京を最後に置いている…Putting the First Last。
私は、こうした地域説明会の開催を通じて、東京と地方との情報格差が少しでも是正されることを願っている。
かのロバート・チェンバースは、途上国の開発に携わるプロフェッショナルの心得として、センターに心を奪われて仕事をしてはならない、センターに傾いてはならない、センターに住む心地よさに浸ってはならないと説いている。
言い換えると、本国を見ながら仕事をしてはならない、出世を期待したり本国におけるポジションを望んだりしてはならない、本国の生活に慣れて途上国で仕事をすることを厭うてはならない、ということである。
なぜそうなのか。
それは開発のプロフェッショナルがその能力を発揮すべき仕事場は途上国にあり、その能力が行使されるべき対象は途上国の政府であり住民であるからである。
しかし公的機関であれ、民間組織であれ、俗に出世コースと言われるキャリア・パス(Path)はセンター(例えば東京)に存在している。
したがって、海外で仕事をしている人たちの多くは、やがて東京に戻ることを考えながら、そして戻った時のポジションや仕事内容を考えつつ赴任期間を海外で過ごすことになる。これが国際機関になるとニューヨークやジュネーブが東京の代わりとなる。
いずれにしても、そうした磁場の上に立つ組織に身を置いていると、海外における仕事は手段であって本来の目的ではないということにもなりかねない。そしておそらくそのあたりが、多くのNGOとそれ以外の組織との相違点の一つなのであろう。
開発協力に携わるNGOはその時の立ち位置から外側に視線を向ける。否、そう心がけなければならない。内側を観察しても良いが、それは仕事を進める上の手段であって、フィールドは周辺部に向かって無限に広がっているという理解である。
87%…外務省がNGO向けに配分している予算のうち、関東圏(ほとんどが東京)に事務所を構えるNGOへの配分比率である。
そのことの善悪を述べるつもりはないが、とても偏った数字である。地域NGOの努力が足りない、と言えばそれまでだが、これはある意味において構造的なものである。
歪曲した日本の政治・社会構造がこのあたりにも色濃く反映されていると想像される。
センターに資源と機会が集まるのは、この業界も同じであるらしい。
Putting the Last First…
ロバート・チェンバースの美しい言葉もまた、既成事実や現状(Status quo)と対峙していく中で色あせてしまうのだろうか。
何かできることはないか。今年度の効果検証プログラムにはそうした思いも含まれている。 |