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Putting the Last First

2009/10/28

 
福岡で開催された効果検証プログラム説明会

10日ほど前、九州大学箱崎キャンパスの一室を借りて「効果検証プログラム」の福岡説明会を実施した。
出席者は6名と少なかったが、彼(女)らが所属するすべての団体が国際協力活動を実践しており、講師役である私の拙い説明を熱心に聞いて下さった。
今日までに、札幌、仙台、大阪、広島、福岡の5箇所で開催され、今月後半から来月中頃にかけて、プログラムの一部紹介にとどまる沖縄を含め、名古屋、岡山、東京の4箇所で実施される予定である。東京を最後に置いている…Putting the First Last。

私は、こうした地域説明会の開催を通じて、東京と地方との情報格差が少しでも是正されることを願っている。
かのロバート・チェンバースは、途上国の開発に携わるプロフェッショナルの心得として、センターに心を奪われて仕事をしてはならない、センターに傾いてはならない、センターに住む心地よさに浸ってはならないと説いている。
言い換えると、本国を見ながら仕事をしてはならない、出世を期待したり本国におけるポジションを望んだりしてはならない、本国の生活に慣れて途上国で仕事をすることを厭うてはならない、ということである。
なぜそうなのか。
それは開発のプロフェッショナルがその能力を発揮すべき仕事場は途上国にあり、その能力が行使されるべき対象は途上国の政府であり住民であるからである。

しかし公的機関であれ、民間組織であれ、俗に出世コースと言われるキャリア・パス(Path)はセンター(例えば東京)に存在している。
したがって、海外で仕事をしている人たちの多くは、やがて東京に戻ることを考えながら、そして戻った時のポジションや仕事内容を考えつつ赴任期間を海外で過ごすことになる。これが国際機関になるとニューヨークやジュネーブが東京の代わりとなる。
いずれにしても、そうした磁場の上に立つ組織に身を置いていると、海外における仕事は手段であって本来の目的ではないということにもなりかねない。そしておそらくそのあたりが、多くのNGOとそれ以外の組織との相違点の一つなのであろう。
開発協力に携わるNGOはその時の立ち位置から外側に視線を向ける。否、そう心がけなければならない。内側を観察しても良いが、それは仕事を進める上の手段であって、フィールドは周辺部に向かって無限に広がっているという理解である。

87%…外務省がNGO向けに配分している予算のうち、関東圏(ほとんどが東京)に事務所を構えるNGOへの配分比率である。
そのことの善悪を述べるつもりはないが、とても偏った数字である。地域NGOの努力が足りない、と言えばそれまでだが、これはある意味において構造的なものである。
歪曲した日本の政治・社会構造がこのあたりにも色濃く反映されていると想像される。 センターに資源と機会が集まるのは、この業界も同じであるらしい。
Putting the Last First…
ロバート・チェンバースの美しい言葉もまた、既成事実や現状(Status quo)と対峙していく中で色あせてしまうのだろうか。

何かできることはないか。今年度の効果検証プログラムにはそうした思いも含まれている。
 
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ピンチをチャンスに

2009/10/11

 
岡山天満屋前で行われた街頭募金

先週末、RSK(山陽放送)が主催する「救え!世界の子どもたち」の街頭募金に参加した。
このキャンペーンは、RSKのCSR活動の一環として2003年に始まり、今年で7年目を迎えた。紛争、貧困、災害などに苦しむ世界の子どもへ手を差し伸べるとともに、放送やイベントを通じて地域の人々に「命の尊さ」や「平和」について考えてもらう機会を提供している。

キャンペーン期間を通じて集められた募金は、中四国に事務所を構える団体に付託され、AMDAグループもその一部を頂戴し、災害時の、子どもの命を守るための医療救援活動や、公共サービスが届き難い地域に住む子どもの健康や健全な成長を支援するための事業に活用させていただいている。
AMDA社会開発機構は過去2年間、2004年12月に発生した巨大津波や長期にわたる内戦の影響を受けたアチェと、中国国境沿いに位置するミャンマーのコーカン特別区における貧困世帯の子どもたちを対象にしたさまざまなプログラムの運営に活用させていただいた。来年も、活動地域の関係者とともに、コーカン特別区やネパール平野部における少数民族の子どもの健康増進、特に成長観察や健康チェックを柱とするGMP(Growth Monitoring Program)を行いながら、予防接種などが適切に行われるための環境づくりに活用させていただきたいと考えている。

だが一抹の不安も過ぎる。果たして今年は寄付が集まるのだろうか、ということだ。
街頭に立ってみると、例年に比べて募金箱へ歩み寄ってくれる人の数が減ったような気がした。世の中は不況色に染まりつつある。輸出産業の減退、景気後退、雇用不安などの問題が一層深刻になる可能性がある。そうなると、自分が知らない海外の子どもたちのために寄付するどころの話ではないということになる。事業実施に係る費用の一定部分を寄付に依存しているNGOとって、厳しい時代を迎えることになる。
しかし・・・しかしである。こういう時こそ、国際貢献活動の意義をアピールする絶好のタイミングではないかと思う。途上国の貧困層にとっては毎日が不況である。それを絶対的貧困と呼ぶ。我々が活動する地域の村の家庭で、明日の晩ご飯のおかずをすでに確保している家族はほとんどないはずである。今夜子どもが高熱を出して、病院で診療を受けることのできる家族はほとんどないはずである。そうした現実を伝える能力、共感を得る能力、支援を引き出す能力は、こうした時にこそ磨かれるのではないかと思う。

刈り入れを待つ稲

台風18号の風雨に勝った稲穂が今輝きを放っている。
〜 雨風に耐えて刈り待つ稲穂かな 〜

ピンチをチャンスに。大借金国日本のすべての行政、民間セクターで、相当な痛みを伴う取り組みが始まっている。
我々も負けてはいられない。

 
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