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AMDAホンジュラスは、首都テグシガルパ市サンミゲ−ル地区でエイズ予防活動を行っている。ホンジュラスにおけるエイズ問題は、1982年に最初のエイズ患者が報告されて以来、感染が年々拡大している。現在エイズ患者は約13,000人、HIV感染者はその6倍とも言われ、アメリカ大陸において5番目に多い国であり、中米諸国の感染者の60%を占めている。また、HIV感染者の80%は、15歳から49歳の経済活動が活発な労働人口層である。それ故、エイズは今や若者の病気と考えられるようになった。
HIV感染の大部分は性的接触を通じて起こるものであることから、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスに関する情報とサービスは、HIV/エイズ予防に至る非常に重要な入口となっている。青少年に対する知識、技能、態度の向上を目指す様々なアプローチは、現在「行動変容のためのコミュニケーション(BCC)」と呼ばれ、青少年に向けたBCCの項目には、リプロダクティブ・ヘルスに関する生物学的知識、人間関係と感情、セクシュアリティ、コミュニケーションと交渉、ジェンダー(社会的・文化的性別)の問題、より安全な性行動の実践(禁欲、初めての性体験の時期を遅らせること、パートナーの制限などを含む)、妊娠とHIVを含む性感染症(STI)の予防法が含まれる。AMDAホンジュラスではこうした内容を盛り込んだ青少年育成プログラムを実施している。同プログラムは、サンミゲール地区内小中学校生徒と就学していない青少年を対象とし、2001年から開始され、プログラム参加者は、年間300名を超える。
小学校では、5年生、6年生を対象に1日4時間、合計5日間の日程でプログラムを実施し、テーマには、性教育も含まれるが、おもに、生徒たちが人生の目標を持ち、それに向かって主体的に努力できるテーマを中心として行われる。中学生に対しては、若年妊娠と性感染症(STI)の予防法が加えられ、AMDAスタッフが、毎日のテーマに沿ってワークショップを進めていく。経験豊富なスタッフは、ゲームや歌、視聴覚教材をうまく使いこなしながら、生徒達の興味を引き出している姿は、担任教師顔負けである。最近は、中学生の間でも、インターネットが徐々に流行し始め、スタッフへメールで挨拶や、相談が持ちかけられようになった。中には、友人がHIVに感染した可能性があり、どこで検査ができるか、検査をしたら、親に知られるのではないかと心配し、メールを書いてきた生徒もいた。また、同地域内の教会と協力し、就学していない若者にも、青少年育成プログラムを実施している。この活動は2005年から開始され、プログラム参加者から、ピア・エデュケーションに興味のある、さらに知識を深めたいと考える若者を中心に、若者グループ“Jovenes
Salvando Jovenes”(日本語で若者が若者を救う)が結成された。現在ボランティアは43名となり、彼らと小中学校でのビデオトーク、世界エイズデーや青少年エイズ予防週間等イベントを企画し、実行へ移している。昨年12月の世界エイズデーでは、3つの大きなイベントを分担し、特に、彼らの企画したコンサートでは、同地区のNGO、保健所、教会牧師、信者も加わり、盛大なイベントが開催された。今年6月には、ボランティアの中から、活動実行委員会が選ばれ、グループの自主的で継続的な活動ができるよう、組織化することができた。
最近ホンジュラスの新聞を毎日にぎわせている話題がある。学校教育プランに、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスの教科書を導入するか否かに関することである。性教育は、愛情を持って家庭内で行うべきであるという意見も宗教団体、教育専門家から出されている。しかし、これまでの活動を通し、プログラムに対する反対意見よりも、セクシュアル/リプロダクティブ・ヘルスの重要性を訴える声の方が強く、ニーズの高さを実感している。青少年ボランティアグループがピア・エデュケーターとしての役割を果たすことの重要性が増している。
本事業は、国際ボランティア貯金、AMDA鎌倉クラブ、フェリシモ基金(メリーの社会貢献プログラム「HIV/AIDS対策活動支援」)の支援により実施している。 |
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| ホンジュラスでは、2003年より、世界基金(世界エイズ・結核・マラリア対策基金)の支援により、三大感染症に対する、予防と治療に関する事業が行われている。AMDAでは、2004年にエイズ予防事業実施団体として、事業を行い、現在では、当国における資金受け入れ責任機関(UNDP
Honduras)からの資金受領機関として、青少年、セックスワーカー、獄中者を対象とした、HIV/エイズ予防・啓発プログラムを実施する現地のNGOを統括し、評価・モニタリングを行っている。 |
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ニカラグア国境沿いにあるエルパライソ県トロヘス市は1970年代、ニカラグアの内戦の影響を大きく受けたホンジュラスでも数少ない地域である。この地域での活動は、1998年ホンジュラス全土に大きな被害をもたらしたハリケーンミッチ被災者に対する巡回医療活動がきっかけとなった。その後、ヘルスボランティアの育成、同ボランティアよって運営されるコミュニティ薬局の運営支援を同市内20コミュニティで行っている。医療サービス機関へのアクセスが困難な僻地で、疾患の早期発見、対処ができるヘルスボランティアは、コミュニティ住民にとって貴重な存在である。彼らにとって、コミュニティに奉仕できることがモチベーションとなっている。現在、ヘルスボランティアによる薬局運営委員会と現地の准看護師が連携し、運営を継続しており、AMDAは医薬品の一括購入を担当している。 |
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2005年4月から2006年8月まで、在ホンジュラス日本国大使館の草の根・人間の安全保障無償資金協力により、上記20コミュニティにおいて、伝統的助産婦の育成を行うとともに、コミュニティでの妊娠適齢期女性に対するリプロダクティブ・ヘルスに関するセミナーを行い、同地域のリプロダクティブ・ヘルスの向上に寄与した。この事業は当初女性を対象に行う予定であったが、セミナー参加者のほとんどが男性同伴で参加した。羞恥心のためか、女性の発言の場を制限する様子が見られた。これは、男性優位傾向がある文化で、女性の発言を拒むということではなく、単に、男性もリプロダクティブ・ヘルスについて一層の情報を求めていることだと考えられた。また、男性のリプロダクティブ・ヘルスはパートナーのリプロダクティブ・ヘルスに直接影響を与えることは、エイズの世界的流行で明らかになった事実である。女性の性感染症の治療は、そのパートナーへの治療も含めて、予防教育に関与させない限り、ほとんど意味をなさない。そのため、2回目のセミナーより、男女それぞれにセミナーを行うこととなった。 |
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| 上記2つの事業の経験を活かし、本年度からJICA草の根技術協力事業(草の根パートナー型)として、トロヘス市に、ダンリ市、エルパライソ市を加えた3市で、ヘルスセンタースタッフ、伝統的助産婦(TBA)、ヘルスボランティアの育成・能力向上、連携強化を柱として、村落を基点とした母子保健サービスの拡充を目指した事業を実施する予定である。 |
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