ホンジュラスで2つの事業を開始しました。

2016/03/16
2016年3月1日より、外務省「日本NGO連携無償資金協力」を得て、ホンジュラスで2つの事業を開始しました。1つは「首都テグシガルパ市南東部における青少年育成を通じた住みやすいコミュニティづくり支援事業」(以下、青少年育成事業)、もう1つは「ダンリ市山間部における思春期リプロダクティブヘルス推進プロジェクト(フェーズ2)」(以下、思春期リプロダクティブヘルス事業)です。

青少年育成事業は、治安改善という将来の大きな目標に向けて、青少年の育成と地域コミュニティの能力強化に取り組む事業です。ホンジュラスの治安悪化の背景には、昨今の政治的混乱に加え、深刻な雇用問題、そして都市コミュニティの慢性的な貧困の問題があり、このような環境で育ってきた若者は、家族やコミュニティの人々からの愛情や優しさに触れる機会を奪われて周囲の人々と信頼関係を築くことができずに、非行に走り、犯罪に手を染め、麻薬に手を出すなど、希望や自尊心を失ったまま成長しています。人々が安心して希望を持って毎日を過ごすことができる社会を築くための一歩として、国の将来を担っていく若者層の育成とそれを育むことのできるコミュニティの能力強化が必要不可欠であり、本事業はそれを支援するものです。

2年計画の1年目である本事業では、対象地区の中高生、彼らが通う学校の教師、そしてコミュニティ活動を進めていくために形成されたグループのメンバーを対象に、価値観・自尊心・薬物などをテーマとした研修やコミュニティ活動を実施する方法について学ぶ研修を行います。その後、中高生の中からリーダーとなって活動するメンバーを選出し、彼らによる青少年活動(同世代間教育やクラブ活動など)に取り組みます。また、コミュニティ・グループを主体として、コミュニティ活動を実施していきます。

思春期リプロダクティブヘルス事業は、山間部に居住する若年層が適切なリプロダクティブヘルス教育・ケアを受けられるようになることを目指した事業です。若年妊娠は妊産婦死亡の危険性が高く、政府は全妊産婦に占める15~19歳の若年妊娠率を現在の22%から12.7%まで削減することを目標に対策を講じていますが、遠隔地、特に地方山間部などにおいてはその取り組みが行き届かず、若年層が十分なリプロダクティブヘルスサービスを受けられないだけでなく、地域間格差の解消が喫緊の課題となっています。

2年目となる本事業では、リプロダクティブヘルスサービスを提供するために1年目に作成した活動計画(保健所が思春期層を対象としたカウンセリングを行う、学校はサービスが必要な生徒に保健所を紹介する、など)に、保健所と学校が取り組みます。また、保健所のスタッフや学校の教師、保護者に対して研修を行います。さらに、1年目に研修を受けた青少年のリーダーたちも思春期層にリプロダクティブヘルスを推進するための活動に取り組み、同じ学校に通う生徒たちへ自分たちが保健教育を行ったり、同級生の相談にのったり、保健所が村で行う保健教育に協力したりしていきます。これらの活動を通じて、対象地の山間部に住む思春期層が適切なリプロダクティブヘルスサービスを受けられるようになることを目指し、若年妊娠の減少につながることを期待しています。

引き続き、ホンジュラス事業への温かい応援とご支援をよろしくお願いいたします。

事業契約書を交わす岡田特命全権大使と事業統括の山田
事業契約書を交わす岡田特命全権大使と事業統括の山田
一緒にコミュニティ活動に取り組む地域住民と青少年(青少年育成事業)
一緒にコミュニティ活動に取り組む地域住民と青少年(青少年育成事業)
コミュニティ活動として保育園でイベントを実施した後の記念撮影(青少年事業)
コミュニティ活動として保育園でイベントを実施した後の記念撮影(青少年事業)
研修を受けるピアリーダーたち(思春期リプロダクティブヘルス事業)
研修を受けるピアリーダーたち(思春期リプロダクティブヘルス事業)

ピアルームの完成を祝うピアリーダーたち(思春期リプロダクティブヘルス事業)
ピアルームの完成を祝うピアリーダーたち(思春期リプロダクティブヘルス事業)